李氏は南東部キョンサンプクド(慶尚北道)アンドン(安東)郡(現・安東市)出身。貧しい家庭に育ち、小学校卒業後は少年工として働きながら検定考試に合格、中学・高校の卒業資格を得た。1986年に韓国の中央大学を卒業し、弁護士となった。その後、ソウル近郊のキョンギド(京畿道)ソンナム(城南)市長を2007年7月1日~2018年3月15日まで務めた後、2018年7月~昨年10月25日まで京畿道知事を務めた。今年3月の大統領選に立候補し、最後まで尹大統領と激しい争いを見せたが、約24万票の僅差で敗れた。過激な言動がトランプ前米大統領に似ていることから、メディアはしばしば李氏について「韓国のトランプ」と表現する。また「対日強硬派」としても知られる人物だ。
李氏はその後、6月の統一地方選挙と同時に実施された国会議員補欠選挙で、首都圏のインチョン(仁川)の選挙区から出馬し当選。それまで国会議員の経験はなかった李氏だが、晴れて議員バッジを着けることとなった。
その後、党代表選に出馬。出馬会見で李氏は「民主党を変え、政治を変え、世の中を変えたい」と意気込みを語った。その上で「その始まりは勝てる民主党をつくることだ。次期総選挙で必ず勝利する。勝てる民主党をつくる任務に失敗すれば、李在明の時代的な役割も終わる」と述べた。結果、李氏は「共に民主党」の歴代最高となる77.77%の支持を得て他の候補を圧倒し、8月末、党代表に選出された。李氏は就任当時「身を削って完全に新しい民主党をつくることに全身全霊をかける」と宣言。「きょうは2年後の総選挙、5年後の大統領選挙の勝利に向け、進軍を始めた日と記録されるだろう」と述べた。
李氏が尹政権への批判を強める一方、検察は李氏が城南市長だった時期に行われた都市開発事業の不正疑惑をめぐる捜査を加速。9月には公職選挙法違反(虚偽の事実の公表)の罪で李氏を在宅起訴した。大統領選の党公認候補だった昨年、開発事業にからむ疑惑について虚偽の発言があったなどとされる。また、先月19日には、李氏の最側近とされるチョン・ジンサン代表室政務調整室長を特定犯罪加重処罰法上の収賄容疑などで逮捕した。チョン氏は城南市幹部だった2013年~2020年頃、開発に絡む資産管理会社の大株主ら複数の人物に便宜を図る見返りに計1億4000万ウォン(約1466万円)相当のわいろを受け取った疑いがある。尹政権下で加速する捜査に、李氏側は「政治弾圧」と反発を強めている。
李氏は韓国大統領府・検察VS「共に民主党」の対立が強まる中、就任100日目を迎えた。5日に開かれた最高委員会議で、同党のチョン・チョンレ(鄭清来)最高委員は「尹政権の弾圧と政治報復に立ち向かった100日は大変厳しい時間だった」と振り返った。その上で、「李代表に対する弾圧と戦う」と強調した。
また、李氏は「政権の不公正な権力行使、不当な権力乱用が社会を不安に追い込んでいる」とした上で「窒息する民主主義を必ず守る。国民が託した権限を国民生活ではなく野党破壊に乱用していることを国民は容認しない。政府と与党に警告する。国民と歴史を恐れなければならない」と批判した。
一方、李氏はこの日、就任100日に合わせた記者会見を開かず、最高委員会議での発言にとどめた。これについて聯合ニュースは「李氏が都市開発事業の不正疑惑をめぐる検察の捜査の矛先が自身に向いていることを踏まえ、捜査に関連する質問を避けるための苦肉の策との見方もある」と伝えた。
疑惑に絡み、李氏に対する取り調べも秒読みに入ったともささやかれる中、「共に民主党」、そして李代表はこの難局にどう対峙(たいじ)していくのか?
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