イ・サンミン の最新ニュースまとめ
「今年の四字熟語」は、教授新聞が毎年この時期に選定、発表している。教授新聞は、「今年の四字熟語」を選定するにあたり、12人の推薦委員が四字熟語22個を推薦した後、予備審査団が5つに絞った。そして、先月23~30日に、ネットリサーチ会社「マクロミルエムブレイン」に依頼して全国の大学教授を対象にアンケート調査を実施。935人が回答し、最も多い476人(50.9%)が選択した「過而不改」が「今年の四字熟語」に選定された。2位の「欲蓋弥影」(覆おうとすればさらに現れる、14.7%)を大きく引き離し、圧倒的1位で選ばれた。
「過而不改」は約2500年前の聖人、孔子の教えをまとめた「論語」に登場する。孔子は、「過ちを犯したことを知っていながら改めようとしないことが本当の過ちだ」と説いている。
韓国では今年3月、大統領選挙があり、5月、「国民の力」の尹錫悦氏が第20代大統領に就任した。旧政権に批判的な尹政権は、発足後まもなくムン・ジェイン(文在寅)前政権の不正疑惑の捜査に着手。文政権時代の産業通商資源相が在職時の2017~18年に同省傘下の公社など13機関のトップに辞職を強要した疑いがあるとして、逮捕状を請求。裁判所は請求を認めなかったが、検察は、大統領府の指示があったとみて、当時の関係者を追及した。
また、文前政権時代の一昨年9月、朝鮮半島西側の黄海で、韓国の漁業指導船の乗組員が北朝鮮軍に射殺された事件があり、韓国の検察は、文政権の判断にあわない情報を削除するよう関係機関に指示したとして、今月3日、ソ・フン前国家安保室長を逮捕した。検察は、北朝鮮との関係改善を重視した文前政権の内部で不正があったとみて捜査を進めており、ソ前室長の捜査の結果次第では、文前大統領にも捜査が及ぶ可能性も指摘されている。
一方、今年3月の大統領選に敗北し、野党となった「共に民主党」は、これまで尹政権や尹大統領への批判を続けてきた。今年10月にソウルの繁華街・イテウォン(梨泰院)で起きた転倒事故は、日本人2人を含む158人が死亡。高校生ら約300人が死亡した2014年の旅客船セウォル号沈没事故以来の惨事となった。
「共に民主党」は安全管理の不備を指摘。「人災だ」として、現政権の責任を追及している。先月30日には、李行政安全部のイ・サンミン(李祥敏)長官の解任建議案を国会に提出。「李行政安全部長官は国家の災害及び安全管理業務の総責任者としての義務と任務を放棄し、国民の生命と安全を守れなかったことに対して厳重な責任を負わなければならない」とし、李長官の責任を問うた。国会は今月11日、本会議で出席者183人のうち、賛成182人、無効1人で同案を可決した。
「今年の四字熟語」に選ばれた「過而不改」はヨジュ大学のパク・ヒョンモ教授が推薦した。パク教授は「わが国の与党も野党も誤りが明らかになると『前政権はもっと過ちを犯した』とか、『大統領のせい』と言って改めようとしない」とし、「その中で梨泰院での惨事のような後進国型の事故が発生したが、責任を取ろうとする政治家が出てこない」と指摘。「過而不改」を推薦するに至った理由を説明した。さらにパク教授は「朝鮮王朝実録を調べてみると、過ちを正して良い方向に進んだ例がいくつかあった」とし、現政権もこれに倣(なら)うことを望んだ。
アンケートで「過而不改」を選択した教授たちからも「多くの人が間違っていると言っているのに、それを認めようとしない」「今の与野党は党利党略に陥って、国の未来発展よりも政争だけを前面に押し出している」と厳しい批判が多く上がった。
今年の韓国の重大ニュースと言えば「大統領選挙と政権交代」と「梨泰院での大規模転倒事故」が挙げられるだろう。韓国の2022年を振り返ってみると、この2大ニュースに「過而不改」を象徴する場面がいくつも見られたと感じる。
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