産婦人科の定期検診を受けるために病院に向かう妊娠8か月目のミャンマー出身の難民ドゥクンニョンさん(画像提供:wowkorea)
産婦人科の定期検診を受けるために病院に向かう妊娠8か月目のミャンマー出身の難民ドゥクンニョンさん(画像提供:wowkorea)
祖国を離れて外国で暮らすことは決して容易ではないが、特に韓国に来た難民たちの人生はまさに「無謀な挑戦」に等しい。かろうじて韓国で難民審査に通過した後も、韓国での定住のための孤軍奮闘を続けなければならない。彼らは助けを求めることができる韓国人の知人が全くいない場合が多く、自治体の案内がなくては生活に必要な各種の情報を得ることも難しい。法的には韓国人と同じ社会保障制度の資格条件を備えているが、「福祉の死角地帯」に置かれていることもある。

キム・ヨンジ の最新ニュースまとめ

韓国の難民認定者は法的に韓国国民と同レベルの社会保障と生活保障を受ける権利を持つ。国内法と同じ効力を持つ難民協約第24条1項によると、同協約の締約国は合法的にその領域内に滞在する難民に対し、自国民と同じ待遇を与えなければならず、すべての難民は健康保険のような社会保険や生活保障、子供の小・中等教育など社会保障制度を受けることができる。

しかし、法によって保障されている権利を、難民たちが現実に肌で感じることは難しい。基礎生活保護の受給と健康保険などの1次的な福祉を除いては、ほとんどが福祉政策から排除されているためだ。新型コロナウイルス禍の真っ最中だった2021年9月に支給された5回目のコロナ支援金では、韓国人と結婚した結婚移住民と永住権を取得した移住民だけが支給対象に含まれた。基本的にすべての外国人が保障対象から除外され、韓国国内に在住する移住民200万人のうち30万人だけが支援金を受け取った。

無住宅基礎生活保護の受給者で、賃貸住宅の担保融資を受ける資格条件を満たしたとしても、難民という理由で申請さえ断られる。2018年に難民認定を受けた中東アジア出身のAさんは、韓国で稼ぐ収入で子供を含めた家族を養うことが難しくなり、賃貸住宅の担保融資を申請しようとしたが、住民センターで「外国人は支援対象ではない」という話を聞いた。韓国国民と同レベルの社会保障を求め、Aさんは管轄区庁を相手取って行政訴訟を起こし、勝訴した。

難民は韓国で子供を産んでも出生登録ができず、住居の不安定性が子供に引き継がれる悪循環を経験する可能性も高い。家族関係の登録法上、外国人児童の出生登録は事実上不可能だ。韓国で生まれ育ったがアイデンティティが不明な難民の第2世代は、学校に入学してからも奨学金制度から除外されたり、修学旅行の際に旅行者保険の加入ができないなど、各種の障壁にぶつかることになる。

韓国人と婚姻した結婚移住民の場合、外国国籍者であっても韓国人の配偶者の助けを借りて国内での定着が比較的容易だが、難民認定者の場合は法務部の管轄なので福祉の連携が脆弱(ぜいじゃく)だとの指摘もある。難民とその子どもたちは、韓国語をきちんと学ぶ機会が少なく、管轄の住民センターで直接調べなければ共同体に加わることができず、「異邦人」として生きていかなければならない。

難民人権センターのキム・ヨンジュ弁護士は「法務部で女性家族部のようにプログラムを運営すべきだが、各自で自治体に行かなければ案内を受けることが難しい」と語り、「外国人が多数居住するアンサン(安山)とキョンギ(京畿)の一部地域を除いては、住民センターでの基礎生活の保障の連携以外には何の予算も政策もない」と批判した。

今や韓国も結婚移住民から難民まで含めて、彼らの完全な社会定着を助けるための福祉政策を整備すべきだと指摘されている。キム弁護士は「難民は生活の基盤がかなり不足しており、既存の社会保障制度の他にも結婚により移住した女性のように追加の制度が用意されるべき」と語り、「それまでの経歴や学歴を韓国でも活かせるよう、難民の適応と定着のための努力を法務部と地方自治体が行う必要がある」と述べた。
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