スジ(元Miss A)に対する悪質な書き込み男、2審の無罪から最高裁で侮辱罪と判断され差し戻しへ(画像提供:wowkorea)
スジ(元Miss A)に対する悪質な書き込み男、2審の無罪から最高裁で侮辱罪と判断され差し戻しへ(画像提供:wowkorea)
韓国歌手兼女優のスジに対して「国民のホテル女」という書き込みが侮辱罪に当たるという趣旨の最高裁判決が出た。

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 最高裁判所は28日、44歳の男Aの侮辱容疑に対する上告審で無罪を宣告した原審を覆し、ソウル北部地裁に差し戻したと明らかにした。

 Aは2015年10~12月にインターネットのポータルサイトニュースの書き込み欄に「マスコミプレイで作った泡、ただの国民のホテル女」、「映画暴亡(=大失敗)退物」などと表現し、スジを侮辱した容疑で裁判になった。

 争点は、芸能人の私生活についての表現行為に対して非芸能人より表現の自由が広く保障されなければならないのか、そして「国民のホテル女」という表現が侮辱的表現に該当するのか、社会のルールに反していない正当行為となるのかということだった。

 1審と2審の判断は違った。

 1審はAの行為を有罪とみて罰金100万ウォン(約11万円)を言い渡した。1審の裁判部は「被告人が書き込みで使用した『泡』、『国民のホテル女』などの表現は被害者の社会的評価を下げる侮辱的な言葉と見るに十分。被害者が芸能人である点、インターネットの書き込みという特殊性などを鑑みても健全な社会通念上、許容される範囲内にあると見られない」と指摘した。

 判決に不服だったAは控訴し、2審での判断は覆った。

 2審の裁判部は「表現の自由という基本権の重要性、インターネットの書き込みという媒体の特性、関連芸能人が大衆の関心を受ける程度などを考慮する時、芸能人などの公的関心を受ける人物に対する侮辱罪を判断するにおいて、非芸能人に対する表現と同じ基準を提供できない」として無罪を言い渡した。

 しかし書き込みの内容のうち、「国民のホテル女」という表現について「過去に被害者に関する熱愛説ないしスキャンダルがマスコミを通じて報道されたことがあり、被告人はこれをもとに『国民の妹』という芸能業界の広報文句をひねったものであり、『映画暴亡』は被害者が出演した映画の興行成績が良くなかった事実を粗暴に表現したものに過ぎず、侮辱的表現だと見るには難しい」とした。

 検察は上告し、最高裁判所でもう一度判決が覆った。「国民のホテル女」という表現を無罪と見るには侮辱罪成立に対する法理を誤解する恐れがあるとして事件を差し戻した。

 最高裁判所は「芸能人の私生活の侮辱的表現に対して表現の自由を根拠に侮辱罪の構成要件に該当しないとか、社会のルールに反しないと判断するには慎重になる必要がある」と説明した。これは最高裁判所が設定した法理だ。

 続けて「『国民のホテル女』という被害者の私生活を暴き、被害者がこれまでにうたっていた清純なイメージと反対のイメージを暗示しながら被害者を性的対象化する方法で中傷することである。女性芸能人被害者の社会的評価を下げるだけの侮辱的な表現と評価でき、正当な批判の範囲を越えたものであり、正当行為と見るのも難しい」と判断した。

 最高裁判所関係者は今回の判決について「公的事案に関する表現の自由を広く保障すべきだという最近の判例の流れを再確認する一方、私的事案に関する表現や少数の人に対する嫌悪表現の場合とは違い、見る必要があるという点を指摘して表現の自由と人格権を調和して解釈し、両者の均衡を図った」と説明した。

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