国・地域別で最も多かったのが韓国で31万5400人と全体の3割を占めた。10月(12万290人)より2.6倍増加し、旅行も含めた日本製品の不買運動真っただ中だったコロナ前の2019年11月(20万5042人)よりも多かった。JNTOは「日本側の水際対策の緩和や、韓国側の出国規制と帰国時におけるPCR検査義務の撤廃などが影響した」と分析している。
韓国メディアも、今月23日にJNTOが発表したこの結果を報じ、ヘラルド経済は「韓国で海外旅行の需要が再び増加する中、日本旅行の高い人気が続いている」と伝えた。
新型コロナの感染拡大を受けて、日本政府はビザ免除措置を2020年3月9日から一時停止した。もともと日韓間では、人的交流の活性化などを目的に、2006年3月1日から90日以内の滞在であれば相互にビザなしでの往来を認めていた。約2年7か月にわたって、気軽に日本を訪れることができない時期が続いたが、日本政府は10月11日、ビザの免除や外国人の個人旅行の受け入れの解禁に踏み切った。
コロナ禍前、韓国では日本政府による対韓輸出管理強化を受けて日本製品の不買運動が勃発。日本を訪れる韓国人旅行者も大幅に減り、2019年10月は20万人余りと、コロナ禍前の当時の時点では、2011年の東日本大震災の直後以来の大幅な落ち込みとなった。
しかし、コロナ禍の間に不買運動は下火になり、日本政府による水際対策の大幅な緩和を受けて日本への旅行を希望する韓国人が急増。ビザなし日本旅行解禁初日の10月11日、韓国メディアは日本に向かう韓国人旅行者の声を伝えた。キンポ(金浦)空港から羽田空港に向かう飛行機の搭乗を待っていた30代の自営業者は、ヘラルド経済の取材に「パック旅行ではなく個人旅行がしたくてこの日を指折り待っていた」と話し、日本の個人旅行の受け入れ解禁を喜んだ。別の30代は「以前は日本の地方も旅行するなど、毎年5回ほど日本を訪れていたが、新型コロナウイルスの感染拡大で行くことができなくなり残念だった。地理的にも近く、楽しそうな通りやおいしい食べ物が日本の魅力だ」と語った。
韓国人の日本旅行熱は高まり続けており、韓国と日本各地を結ぶ航空便も続々と再開、増便している。年末年始やその後のソルラル(旧正月)にかけて、韓国人が続々と日本を訪れるとみられる。ハンギョレ新聞は日本行きの航空券の購入率を基に、「一番人気は大阪」と伝えている。日本路線の航空券の購入率で大阪は16.8%、これに成田(12.7%)、福岡(12.6%)、沖縄(2.1%)が続く。韓国と各国を結ぶ、路線別の航空券の購入率でも日本路線は47.9%と突出しており、韓国人の日本旅行熱の高さがうかがえる。日本の旅行先として大阪はもともと韓国人に人気があったが、福岡が以前にも増して注目が高まっているという。距離的にも近く、高速船やフェリーも再開したことから、大阪や東京よりも気軽に行ける日本旅行先として関心を集めている。
日本政府は、インバウンド旅行の年間消費額が5兆円を超えることを目指している。訪日旅行者数は増加し続けているが、それでも先月の外国人旅行者は、コロナ前の2019年11月が244万人だったのに比べると4割の水準にとどまっている。
観光庁の和田浩一長官は21日の記者会見で「韓国やベトナム、シンガポールといったアジアなどからの訪日客が堅調に回復している」とし、「関係省庁と連携してインバウンド回復のスピードを回復させていきたい」と述べた。
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