口径20ミリのバルカン砲を運用する兵士ら(合同参謀本部提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
口径20ミリのバルカン砲を運用する兵士ら(合同参謀本部提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
【ソウル聯合ニュース】韓国軍合同参謀本部は29日、北朝鮮の無人機による挑発を想定した合同防空訓練を同日実施したと発表した。 訓練はソウル郊外の京畿道楊州市で行われ、地上作戦司令部、空軍作戦司令部、陸軍航空作戦司令部などの各軍が参加した。 小型無人機への対応作戦を確立するとともに、作戦遂行を習熟するために実施した今回の訓練には空軍の軽攻撃機KA1や「アパッチ」や「コブラ」などの攻撃用ヘリコプターを含め約20機の軍用機が投入された。 訓練は敵の無人機が領空侵犯した多様な状況を想定し、探知および識別後、追跡して迎撃に臨む非射撃訓練方式で行われた。 民家がある地域に無人機が侵入したと仮定した状況では、実弾での交戦が制限される点を考慮し、妨害電波で無人機を制御できなくする「ジャミング(電波妨害)」を行う装置を使用する訓練を行った。同装置は軍が正式に採用したものではなく、試験用に持ち込まれたものという。 軍はこの日、口径20ミリのバルカン砲やと地対空ミサイル「天馬」などの対ドローン運用性を高める訓練も行った。 軍は低速・低空飛行する北朝鮮の無人機に対し、陸軍の攻撃用ヘリ、空軍のKA1や超音速戦闘機など多様な速度の軍用機の統合運用を強化する方向で戦術を立てるとみられる 李鐘燮(イ・ジョンソプ)国防部長官は28日に開かれた国会国防委員会で、合同参謀本部が主導し、すべての戦力を統合して運営する訓練はこれまで行われていなかったとし、今回の訓練で対ドローンでの連携を強化すると示唆した。 合同参謀本部は「今回の訓練を実施して確認できた問題点を補完するとともに各部隊・機能ごとの任務遂行手続きを習熟し、北の空中からの威嚇への対応体制を強化する」と伝えた。 北朝鮮の無人機を巡っては、26日に5機が韓国領空を侵犯し、うち1機はソウルまで飛行した。これら無人機は翼幅2メートル程度と小型で、探知と追跡が難しかった。バルカン砲や自走式対空砲など、韓国軍が地上に配備する対空兵器は目標物を捉えることができず、射撃できなかった。 2017年にも北朝鮮の無人機が、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」が配備されている韓国南部の在韓米軍基地を偵察、撮影した後、韓国北東部で墜落したことがあった。これを受け、韓国軍は局地防空レーダーなどの探知能力を改善。今回、無人機の探知には一部成功したが、射撃に生かせなかった。
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