日中韓首脳会談は1999年に当時の小渕恵三首相の提唱により、フィリピンでの国際会議に合わせて初めて開催された。2国間に懸案があっても政治や経済など幅広い分野で対話を重ね融和を図る目的がある。2008年からは3か国の持ち回り開催となった。
2019年は12月に中国の四川省・成都で開かれ、北朝鮮への対応で緊密に連携していくことで一致。東アジア地域包括的経済連携(RCEP)や日中韓自由貿易協定(FTA)など自由貿易を推進していくことも確認した。
日韓首脳会談も行われ、当時の安倍晋三首相とムン・ジェイン(文在寅)大統領が45分間にわたって会談した。1年3か月ぶりとなる日韓首脳会談だったが、日韓の懸案問題に関して、対話による解決が重要だと双方が確認するにとどまった。
2020年から韓国が議長国を務め開催予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大、日韓関係の悪化などから見送られた。昨年も同様の理由で開催されなかった。しかし、当時、韓国の大統領だった文氏は一昨年の11月、岸田文雄首相に送った第101代首相選出を祝う書簡の中で、「韓日関係の発展のために共に努力していこう」とのメッセージを伝え、日韓関係が膠着(こうちゃく)状態にある中でも、対話の努力は続けていかなければならないとの認識を示した。
韓国は昨年、日韓関係に意欲を見せるユン・ソギョル(尹錫悦)大統領が就任した。尹政権は日韓最大の懸案である元徴用工問題の解決を急いでおり、尹氏が5月に就任して以来、解決に向け、さまざまなアクションを起こしてきた。
そして、先々月13日には岸田首相と尹大統領が日韓首脳会談を行った。「戦後最悪」と言われるほどの両国の関係悪化を受けて、日韓首脳会談は2019年12月に当時の安倍晋三首相と文大統領が会談して以降、約3年にわたって開かれてこなかったが、ようやく実現した。両氏は約45分間会談し、元徴用工問題について、外交当局間の協議が加速していることを踏まえ、早期解決を図ることで一致した。
元徴用工訴訟をめぐっては、元徴用工や遺族への支援事業のため2014年に設立された財団が、韓国企業から寄付を集め、その金を被告企業である日本製鉄や三菱重工業に代わって原告に支給する案が「有力案」とされており、韓国政府は原告側に提示している。しかし、原告側はこの案に強く反発していることから解決までの道のりは今後も平坦でないことが予想される。
また、先々月18日には、日中首脳会談が対面では約3年ぶりに開かれた。両首脳は日中関係の発展に向け、首脳間も含めあらゆるレベルで緊密に意思疎通することで一致した。しかし、日中間には尖閣諸島をめぐる問題など懸案があり、首脳会談でも岸田首相は尖閣諸島を含む東シナ海情勢などについて懸念を伝えた。一方で、岸田氏はさまざまな懸念がある中でも率直な対話を重ねることが重要だと述べ、両首脳は日中関係の発展に向け、首脳間も含めあらゆるレベルで緊密に意思疎通することで一致した。
一方、中韓は昨年、国交正常化30周年の節目を迎えた。だが、中韓関係は、韓国が2016年に米軍の最新鋭迎撃システム「終末高高度防衛(THAAD)ミサイル」を韓国内に配備したことに中国側が事実上の経済報復を行って以降、冷え込んでいる。しかし、そんな中でも先月15日、中韓首脳会談が開催された。中韓首脳が会談するのは2019年12月以来、3年ぶりのことだった。尹大統領は「互いの尊重を基盤に、成熟した韓中関係のために協力していきたい。国際社会の自由や平和、繁栄を追及していく上で、中国の役割が重要だ」と述べた。これに対し、習近平国家主席は「中韓は切っても切れないパートナー」だとして協力の深化を求めた。
昨年も日中韓3か国の首脳会談は実現しなかったが、2か国間の会談は行われ、両首脳の間で意思疎通がなされた。そもそも日中韓首脳会談が始まった際は、2国間に懸案があったとしても政治や経済など幅広い分野で対話を重ね融和を図ることを目的としていた。当初の原則に立ち返り、今年こそは開催にこぎつけてほしいものだ。
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