イ・ジェヨン の最新ニュースまとめ
2022年の韓国の最大のニュースと言えば、3月の大統領選とユン・ソギョル(尹錫悦)政権の発足だろう。同月9日に投票が行われた大統領選は、保守系の「国民の力」候補だった尹氏が、革新系の「共に民主党」候補のイ・ジェミョン(李在明)氏にわずか24万7077票、得票率では0.73ポイントの僅差で勝利をつかんだ。
選挙戦で尹氏は、当時のムン・ジェイン(文在寅)政権を厳しく批判。「真の公正な社会をつくる」として政権交代の実現を訴えた。李氏と終始激しい戦いを繰り広げ、史上最も僅差の選挙戦に勝利した。5月10日、第20代大統領に就任した。
就任演説で尹氏は「自由民主主義と市場経済の体制を基盤に、国民が真の主人となる国へと再建し、国際社会で責任と役割を果たす国をつくらなければならないという時代的な要求を受けてこの場に立った」と表明した。選挙戦で尹氏は「国民との距離を縮めたい」として権威の象徴だった青瓦台(大統領府)を「国民にお返しする」と宣言。公約通り尹氏の就任と共に青瓦台は一般に開放された。開放と共に連日、多くの国民が青瓦台の観覧に訪れた。尹氏はソウルのヨンサン(龍山)の国防部(部は省に相当)庁舎に設けられた大統領室で執務にあたっている。
一方、大統領選に敗れた李氏は6月の国会議員補欠選挙で当選し、最大野党「共に民主党」所属の国会議員となった。その後、8月の党代表選で勝利し、党首に就任した。しかし、李氏をめぐっては、ソウル近郊・ソンナム(城南)市長時代の都市開発に絡む不正疑惑で検察の捜査を受けている。李氏側は「政治弾圧」と反発を見せているが、「共に民主党」内でも李氏の「司法リスク」を懸念する声が高まっている。
尹氏は、日本との関係を修復しようと、就任以来、さまざまなアクションを起こして、解決の道を探り続けてきた。日韓最大の懸案である元徴用工訴訟をめぐっては、韓国の大法院(最高裁)で2018年、日本企業に対し賠償を命じる判決が確定。日本企業の韓国内資産を差し押さえて売却する「現金化」の手続きが進んでいる。現在、韓国の財団らが元徴用工訴訟の被告である日本企業の賠償金を肩代わりする案を「有力案」とし、原告側に案を提示するなどしている。しかし、原告側はこの案に反対の意思を示しており、2023年もこの問題をめぐって難航が予想される。
一方、約3年にわたって開かれてこなかった日韓首脳会談が、先月13日にようやく実現したことは、関係修復に向けた大きな一歩となった。岸田文雄首相と尹大統領は、元徴用工問題について、外交当局間の協議が加速していることを踏まえ、早期解決を図ることで一致。2022年、これまでにない頻度でミサイル発射を繰り返してきた北朝鮮への対応についても、米国も含めた3か国で緊密に連携していくことを確認した。
新型コロナ対策をめぐっては、韓国政府は今年4月、行動規制を全面解除。韓国メディアは「事実上の『エンデミック』の局面に突入することになる」などと伝えた。11月からは日本などからのビザなし入国を認める措置も全面再開し、日韓間の人の往来が活発に。元の日常に戻りつつあり、現在は経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち、韓国が唯一取っている、屋内におけるマスクの着用の義務をいつ解除するのかの議論が続いている。
10月29日、韓国・ソウルの繁華街、イテウォン(梨泰院)で雑踏事故が発生し、日本人2人を含む158人が死亡する大惨事となった。当時、ハロウィーン直前の週末ということもあり、現場周辺は大勢の人でごった返していた。狭い通りに人があふれる中、一部の人が転倒したのをきっかけに、通りにいた人が次々と折り重なるように倒れる群衆雪崩が起きたとみられている。事故を受けて、これまでに梨泰院を管轄するヨンサン(龍山)警察署の当時の署長ら幹部や、龍山区長らが業務上過失致死傷などの疑いで逮捕されている。2014年の旅客船セウォル号沈没事故以来の惨事となり、安全管理の在り方が厳しく問われている。
8月にはソウルなど首都圏を中心に大雨が降り、多数の死者・行方不明者が出た。韓ソウルでは80年ぶりの記録的大雨となり、街の至る所で冠水した。低所得者層が暮らす半地下住宅にも水が流れ込み、親子らが犠牲になった。浸水した住宅から避難できずに死亡したとみられ、豪雨の際の「地下」の危険性が改めて浮き彫りとなった。現場を視察した尹大統領は、社会的弱者であるほど災害時に最も脆弱(ぜいじゃく)となる現実を指摘。「彼らが安全であってこそ、初めて大韓民国が安全になる」と述べた。
また、経済界ではサムスン電子副会長だったイ・ジェヨン(李在鎔)氏が10月、会長に就任。会長のポストは父親のイ・ゴンヒ(李健熙)氏が2020年10月に死去して以来、空席になっていた。創業者の孫である在鎔氏が、名実ともに韓国最大財閥のトップとなり、韓国メディアは「『李在鎔のサムスン』時代が幕を開ける」などと伝えた。
先ごろ行われたサッカーワールドカップ(W杯)カタール大会での韓国代表の活躍は、国民を歓喜させた。韓国は3大会ぶりにベスト16進出を果たした。決勝トーナメントでブラジルに敗れ大会を終えたが、グループリーグからの死闘はファンや国民の感動を呼び、選手たちに向けて惜しみない拍手が送られた。
エンタメ界では、世界的な人気を誇る韓国のグループ「BTS(防弾少年団)」の最年長メンバー、JIN(30)が12月、韓国陸軍に入隊した。JINの入隊をめぐっては、グループの世界的な活躍を理由に、兵役義務に何らかの特例を認めるべきか国内で議論が続いてきた。しかし、2022年末の期限を前に、自ら入隊を決断した。
2022年、振り返れば政治、社会、経済、スポーツ、エンタメと様々なことがあった。韓国語で「あけましておめでとうございます」にあたる表現は、日本語に直訳すれば「新年の福をたくさん受けてください」となる。2023年、福であふれる1年となるといい。
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