日本は年末に歳暮を贈る習慣があるが、韓国は旧正月に合わせてギフトセットを贈ることが多い。旧正月が近づくと、スーパーやデパートのほか、果物や、肉屋といった個人経営の店にも名節ギフトが並ぶ。ギフトは生鮮食品や加工食品、日用品、生活必需品、健康食品など様々で、最近は若者と高齢層で購入傾向に違いが見られるほか、新型コロナウイルスの流行や物価高の影響もみられるという
尹大統領は、国や社会の発展に貢献した各界の重鎮のほか、かつて国のために戦った「護国英雄」と遺族、社会的弱者らにギフトを贈った。雑煮用の餅、海苔、干しダラ、シイタケ、煮干エビの詰め合わせなどがセットになったギフトだという。尹氏はギフトに「国民の皆さんの願いを受け止めて希望に満ちた一歩を踏み出します。厳しく、大変でも国民のために道を歩みます。2023年、偉大なる国民の皆さんと一緒に新たな飛躍を成し遂げたい。温かい旧正月を過ごしてほしい」と記したメッセージカードを添えた。
大統領室は、「米をはじめとする農水産物の消費を促進し、各国の和合を願う意味でギフトを構成した。旧正月に大切な人と一緒にトックク(餅)を食べ、心を通わせてほしいという気持ちでトッククのセットを準備した」と説明した。
韓国大統領が贈るギフトセットをめぐっては、昨年の旧正月の際、当時のムン・ジェイン(文在寅)大統領が贈ったギフトセットに、日本が不快感を示した。文大統領夫妻が各国大使らに贈った旧正月のギフトセットの箱には、竹島(韓国名・独島)とみられる絵が描かれており、相星孝一駐韓大使のもとにも届いた。相星大使側は受け取りを拒否し、直ちに返送した。
当時、韓国紙のハンギョレ新聞は社説で「韓国が実効支配する明白な領土である独島のイメージをギフト箱のデザインに使うのは当然のことであるにも関わらず、日本大使館が過度な言いがかりをつけ、これを日本の『竹島領有権』の主張に利用する姿勢を示したことは極めて遺憾だ」と批判した。しかし、1年が経って改めて当時を振り返ってみると、各国大使らに贈るギフトの箱デザインにあえて竹島の絵柄を採用したことからみても、同紙が指摘するような意図はむしろ韓国側にあったと思われ、世界に向けた島の領有権主張ではなかったかと思われる。
一方、大統領に就任して初めての旧正月を迎えた尹氏が贈ったギフトセットは、箱のデザインは極めてシンプルで、中心部には「大韓民国大統領夫婦 尹錫悦 李建希(イ・ゴンヒ)」と記されている。
このギフトセットが対象者に発送されるや、中古取引サイトにセットが相次いで出品されている。韓国メディアのヘラルド経済によると、「圧倒的な最低価格19万ウォン(約1万9000円)、包装未開封」とのタイトルでギフトを出品した販売者は「昨年のチュソク(旧暦のお盆)にギフトを受け取って両親にあげたらみんな喜んだ。名節ギフトとして必要な方に有意義に使用していただけるよう販売する」と記し、ギフトの写真を載せた。別のサイトには16万ウォンでギフトが出品されていたという。
韓国では近年、同様の事例が繰り返されており、前述した、文氏による旧正月のギフトセットは昨年、最大で30万ウォンで取引された。
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