【ソウル聯合ニュース】韓国の権寧世(クォン・ヨンセ)統一部長官は27日、青瓦台(旧大統領府)の迎賓館で尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に2023年の推進課題を報告した。 権氏は「昨年に続き、今年も南北関係に多くの困難が予想されるが、統一部は揺らぐことなく非核平和、繁栄する朝鮮半島へと進む転換の契機を作る」と述べた。 北朝鮮と韓国当局間の対話が途絶えた中、統一部は民間団体や国際機関などを通じて北朝鮮との接触を拡大し、対話の突破口を開く方針だ。 韓国政府は対北朝鮮人道協力は政治・軍事的状況にかかわらず一貫して推進するという原則を立てており、民間団体や国際機関の対北朝鮮人道支援に積極的に協力することで南北対話の糸口を探る趣旨とみられる。 統一部は、対話が再開されれば朝鮮戦争などで生き別れになった南北離散家族、韓国軍捕虜、抑留者、拉致被害者などの生死確認、再会、帰国など分断による人権侵害と苦痛の解消を最優先に扱う計画だ。 統一部は南北が共同参加する「合意履行点検委員会」を構成し、国連など国際機関の履行支援を確保することで「合意したことは履行する」という構造を定着させる方針だ。 北朝鮮住民の人権向上のための努力も強化する。「北朝鮮人権財団」の発足に向けて国会との協力を強化するとともに、財団の発足までは統一部が実質的に財団の役割を果たす方針だ。16年9月に北朝鮮人権法が施行されたが、同法に基づく北朝鮮人権財団は理事の構成を巡る与野党の意見の隔たりにより、現在も発足に至っていない。 統一部は年間20億ウォン(約2億1000万円)を投じて民間の北朝鮮人権向上活動を支援し、民間の専門家も参加する「北朝鮮人権財団準備委員会」(仮称)も発足させる計画だ。 3月には「北朝鮮人権状況年次報告書」を韓国語と英語で発刊する。 尹大統領の対北朝鮮非核化ロードマップ「大胆な構想」も具体化させる。北朝鮮から反応があれば直ちに推進できるよう、政治・軍事・経済分野で「相応の措置」を準備するなど、分野別に履行計画を練る。 統一部は、「北の挑発を確実に抑止(Deterrence)し、制裁の履行強化と独自制裁の推進によって核開発の断念(Dissuasion)へと導く一方、対話(Dialogue)に向けた努力も着実に展開する」という、いわゆる「3D」政策を改めて提示した。
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