韓国のナ・ギョンウォン(羅卿瑗)元与党“国民の力”議員(画像提供:wowkorea)
韓国のナ・ギョンウォン(羅卿瑗)元与党“国民の力”議員(画像提供:wowkorea)
韓国のナ・ギョンウォン(羅卿瑗)元与党“国民の力”議員は26日、3・8与党代表選の「不出馬」を宣言した。彼女は「党の分裂と混乱に対する国民の懸念を防ぎ、和合と団結に戻ることができるよう、ソロモンの裁判に登場する母親の心情で退くことにした」と伝えた。しかしこれが全てではないことは「知る人ぞ知る」だ。大統領室と親“ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領”陣営による圧力に勝てなかったということだ。

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ナ元議員の不出馬により、次期党代表選をとりまく与党圏内の消耗的対立と分裂がこの程度で終わったことは、それでも幸いなことだ。しかしその過程であらわになった「大統領室の “特定候補推し”問題」と「与党内の非民主的形態」は見過ごすことができない。

今回の事態は、ナ元議員が原因を提供した側面が明確にある。「低出産高齢社会委員会の副委員長」という国家的重責を引き受けた後、たった3か月で「次期党代表選候補世論調査1位」に酔い、その担当を「途中下車」した。莫大な予算のかかるハンガリー式の「出産時における借入元金の免除」政策を、大統領室との調整なしに発表したことも問題を自ら招いたことだ。

しかし「尹心」(尹大統領の考え)から離れたからといって、出馬自体を遮ることは、また別の問題である。与党内の親“尹”勢力が乗り出して、ナ元議員を「第2のイ・ジュンソク(李俊錫)」「反“尹”の頭(かしら)」という露骨な表現を使って追いやったことも、見苦しいことであった。また、40余人の与党一回生議員たちがナ元議員を「拒否」する連判状を回すよう促した。

さらには、ユ・スンミン(劉承旼)元議員の党代表選出馬を封鎖しようと、2004年以降続いてきた「7対3ルール」(党員投票70%・国民世論調査30%)をやめ、突然「100%党員投票」に変えてしまった。次期党代表選は「尹政府と単一体制で行かなければならない」という親“尹”系の排他的な支配欲が、与党内の「民主化時計」を逆に回している。

ナ元議員は不出馬会見で「秩序整然とした無気力よりかは、無秩序な生命力が必要だ」と語った。これは「次期総選挙を指揮する党代表を選ぶ全党大会が、多様性よりも画一性、上向式ではなく下向式へと後退している」昨今の現実を皮肉った、とげのある言葉だ。与党の全党大会(党代表選)が国民の呼応を得ようとするなら、少壮派・中道改革派・女性リーダーなど多様なスペクトルの候補が、大韓民国のよりよい未来において善意の競争を繰り広げることができなければならない。

しかし今の与党は、ひとえに「尹心」のみで進んでいる。これでは、来年の総選挙で国民の選択を得るのは難しい。前回の党代表選で「30代0選」のイ・ジュンソク(李俊錫)氏が党代表に選出された「バタフライ効果」で、大統領選と地方選挙を立て続けに勝利することができたことを忘れてはならない。

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