トヨタ自動車の新しい経営体制では、佐藤氏を含む執行役員を現在の11人から8人に減らし、副社長に中嶋裕樹氏と宮崎洋一氏の2人が昇格する。副社長は現在の3人から2人の体制となる。
13日に行われた新体制発表の記者会見で、佐藤次期社長は「新しい経営チームのテーマは『継承と進化』だ。創業の理念を大切にしながら『商品と地域を軸にした経営』を実践し、モビリティ・カンパニーへのフルモデルチェンジに取り組んでいく。『もっといいクルマづくり』と『町いちばんのクルマ屋』。この13年間で豊田社長が浸透させてきたトヨタが大切にすべき価値観があるからこそ、新チームがやるべきことは、『実践』のスピードを上げていくことだ」と決意を語った。
また、佐藤氏は「チーム経営で臨んでいく。両副社長から意見をもらいながら、みんなで考えて行動する体制を目指していく」とした上で、△EVを起点とした事業改革△「Woven City」と呼ぶ未来型都市の開発事業△アジアでの脱炭素の取り組みの重点事業の3本柱を挙げた。
トヨタ自動車が先月26日、4月1日付での社長交代を発表したが、韓国でもこのニュースがすぐさま報じられた。韓国メディアのニュース1は当時、14年ぶりの社長交代であることと、新社長が53歳のエンジニア出身であることを見出しにした記事を掲載した。
同社から新体制が発表された13日には、朝鮮日報が「現代自動車の鄭義宣か、トヨタの佐藤恒治か=未来カーめぐる『世紀の対決』スタート」との見出しの記事を掲載。カーマニア、技術一筋で歩んできたという現代自動車グループの鄭会長とトヨタの佐藤次期社長との共通点も紹介しながら、「2人の歩みによって、世界の自動車業界地図も変化する可能性が高い」と指摘した。
同紙は、トヨタの今後のEV戦略に注目した。トヨタはEV市場で遅れが指摘されており、先月26日には韓国の有力紙「中央日報」から「欧州で0%台の屈辱、世界1位のトヨタ、『現代自動車戦略』を追いかける」との見出しの記事も出た。中央日報は「トヨタは昨年、欧州10か国の市場でのEVのシェアは0.8%(7554台)にとどまった」と指摘した。一方、現代自動車グループは昨年、欧州の主要10か国においてEVのシェア2桁を記録した。
昨年のEVの世界シェアで、現代自動車グループは51万台が新規登録され、6位だった。
朝鮮日報は「現代自動車グループの最近の善戦は、他社に先駆けてEVへと転換したことによる」と指摘した。同グループは昨年、EVの累計販売台数が100万台を突破。2011年に初めてEVを発売してから11年で国内外で累計102万2284台を販売した。特に2021年にEV専用プラットフォーム「E-GMP」を適用した専用EVを発売したことが、同グループのEV販売に拍車をかけた。アイオニック5、EV6、GV60をはじめ、昨年発売されたアイオニック6などが国内外での販売拡大をけん引した。
EV市場で遅れを取ったトヨタも、2026年を目標に高級車ブランドのレクサス向けに次世代のプラットフォームと電池の開発を加速させる方針を明らかにした。佐藤次期社長は13日の会見で「あらゆる選択肢を多くの方に提供することを前提に、選択肢の一つのEVで具体的な取り組みを加速していく」と述べた。
今後、日韓を代表する自動車メーカーの競争はどのような展開を見せるのだろうか。
Copyrights(C)wowkorea.jp 3