3万人が住んでいても売れない…厄介物になった大型マンションのテナント=韓国(画像提供:wowkorea)
3万人が住んでいても売れない…厄介物になった大型マンションのテナント=韓国(画像提供:wowkorea)
韓国では高金利によって商業用不動産市場の低迷が加速化する中、入居者の固定需要確保が容易な大型マンション内にあるテナントも、購入者を探すのが難しくなっている。とくに9510世帯規模のソウル市ソンパ(松坡)区「ヘリオシティ」は竣工が完了して4年過ぎたが、依然としてテナントの保留地が売却できずにいる。

 17日、再開発整備業界によると、「可楽市営アパート(ヘリオシティ)」の住宅再建整備事業組合は、7日から14日までの1週間、テナントの空き店舗4か所に対して入札を実施したが流札になったという。今年だけで3回の売却公告を出したが、先月売却された地下1階132号の1か所を除いては入札者が現れなかった。

 保留地とは整備事業組合が訴訟などに備え、余分に確保している物件をいう。可楽市営アパートの再建築組合は20年からテナント保留地の残余分に対して入札を進めてきたが、毎回流札している。

 組合関係者は「14日までの入札も失敗に終わり、次の計画はまだ決まっていない。価格はさらに下げられない状況で、入札方式もまだだ」と伝えた。

 18年12月の入居当時、ヘリオシティのテナントは612店舗に達する店舗数と約3万人余りの入居者固定需要などで関心を集めた。しかし、供給過剰と賃貸料が高いという指摘が続き、これまでも空き店舗が多かった。それに加え、昨年から金利の引き上げが続き、テナントへの投資心理も萎縮している。

 通常、テナントなど商業用の不動産は相対的に住宅より融資の依存度が高いため、金利の影響が大きくならざるを得ない。実際、国土交通省の実取引価格公開システムの統計によると、昨年第4四半期の首都圏マンション商業業務用の不動産取引件数は計6072件。一昨年第4四半期の1万3746件と比べると、半分にも満たない水準だった。

 さらに、ヘリオシティのテナント保留地の基準価格が、20年の価格に比べ変動が大きくないという点も流札の要因にあげられている。ヘリオシティのテナント地上1階59号(専用面積37平方メートル)の場合、20年2月の入札当時、基準価格が26億ウォン(約2億6900万円)で、半年後の20年8月には16億ウォン(約1億6500万円)まで下がった。現在の価格は15億5200万ウォン(約1億6000万円)。2年以上経ったが、価格の下落幅が大きくないという評価だ。

 テナント保留地の残余分が流札を続けているため、可楽市営アパートの再建築組合はまだ解散できていない。組合関係者は「テナント保留の件だけでなく、組合内外部との訴訟など、解決していない問題も多い」としながらも、「円滑な解散のために組合レベルでも、最大限努力している」と説明した。
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