製造業就業者数は雇用指標の核心といわれている。全産業就業者数2736万3000人のうち16.2%が製造業就業者だ。その上、製造業の就職先はいわゆる「質の良い民間の働き口」とみられている。製造業の雇用が回復しなければ、量・質の雇用がともに好調を示すのは難しい。
輸出景気の寒波が本格的に雇用の指標に影響を与えている。成長の核心である輸出が折れ、政府も経済危機に対する警告の水位を公式的に高めた。
18日、韓国統計庁の23年1月雇用動向によると、製造業就業者数は443万2000人で、昨年同月の446万7000人に比べて3万5000人(0.8%減)減少した。
製造業就業者数が減少したのは昨年10月(0.3%減)以降初めて。21年11月(1.2%増)から製造業就業者数は増加傾向を続けてきた。昨年8月には5.6%増加。しかし、その後次第に増加幅が小さくなり、結局1月減少に転換した。減少幅は21年9月の3万7000人(1.7%減)が減少して以来、最大になっている。
製造業の就業者は働く時間も減っている。主要産業別で週当りの平均就業時間を前年同月対比の増減で調べてみたところ、製造業は1月41.2時間を記録。前年同月比0.9時間(2.1%減)減少した。
統計庁のソ・ウンジュ社会統計局長は「製造業就業者数が15か月ぶりに減少に転換した。これは産業活動動向統計内の電子部品生産などが減少した影響だ。今後も産業活動動向統計内に明らかになった部分が持続的に反映される可能性がある」と説明した。
企画財政省も2023年1月、雇用動向の分析資料を通じて「生産・輸出減少などが時間を置いて雇用市場に反映され、電子部品などを中心に15か月ぶりに減少に切り替わった」と分析した。
製造業就業者数の減少は青年層の雇用に直接的な悪影響を与える。高齢層の就職先、政策による就職先とは意味が違う。
実際、1月の青年層就業者数は前年同月比5万1000人減った。減少幅が昨年12月(2万5000人)の2倍以上だ。基底効果と人口減少も影響を及ぼしたが、景気鈍化による製造業の不況も原因の一つになっている。
年齢別では高齢者の雇用は大幅に増えた。先月60歳以上の就業者数は昨年より40万人増え、全体増加幅の97.3%を占めた。これは21年3月(40万8000人)以来最大の増加幅だ。
雇用の質も悪化した。週36時間以上働いた就業者は1年前より12万8000人減った。その反面、週36時間未満の短期就業者は47万人増えている。
企画財政省は「前月対比基底効果拡大、人口減少(18万9000人減)、景気鈍化の影響で製造業および運輸倉庫業を中心に青年層の就業者数減少幅が拡大した」と説明した。
実際、昨年の製造業在庫率は7か月連続120%を上回った。国家統計ポータルの「鉱業製造業動向調査の製造業在庫率」によると、昨年の製造業在庫率は126%を記録した。製造業の在庫率は、昨年6月の124.2%を皮切りに、7か月連続で120%を上回っている。韓国にこれほど在庫が長期間蓄積されたのは、90年代の通貨危機前後以来初めてだ。新型コロナが流行しはじめた20年でも、製造業の在庫率が120%を超えた月は、たった1か月だけだった。
これに対し、韓国政府の景気診断も警告の水位が上がっている。企画財政省は17日「23年2月最近の経済動向(グリーンブック)」で、「最近の韓国経済は物価が依然として高い水準を維持している中で、内需回復の速度が緩やかになっている。輸出不振および企業心理の萎縮が持続するなど、景気の流れが鈍化した」と表現した。
それと共に「対外的には中国のリオープニング、世界経済軟着陸の期待とともに、通貨緊縮基調およびロ・ウクラ戦争の長期化憂慮など、危険が交差し世界経済の不確実性が続いている」と付け加えた。
このような分析は、先月まで8か月間続いた政府の評価より、さらに否定的だ。韓国政府はグリーンブック1月号で「景気鈍化の憂慮が拡大している」と表現した。昨年6月から似たような水準で評価を続けてきた。ところが今月は、「憂慮」という言葉がない。景気の減速がすでに始まっているという意味と受け取れる。
企画財政省は「力強い物価の安定、国民経済の負担緩和基調の下で輸出・投資活力の向上に総力対応しながら、3大改革、エネルギー効率向上など経済体質の改善および対内外リスクの管理に万全を期したい」と明らかにした。
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