ある32歳の会社員は「脱毛によるストレスは、就職・結婚・学業などによるストレスよりも大きい」とし「価格の高い脱毛治療薬の購入を自治体で支援してくれることは、青年への直接的な支援だと考える」と語った。
ソウル市議会によると、野党“共に民主党”のイ・ソラ議員が代表発議した「ソウル特別市青年脱毛治療支援条例案」は、来月10日まで行なわれる市議会臨時会本会議の上程を控えている。この条例案は、ソウルに3か月以上在住している青年(満19~39歳)のうち、脱毛患者に対し経口用治療薬の購入費の一部を支援することがその核心である。条例案が施行されれば、青年1万人が支援対象になる。これにより、年間12億ウォン~30億ウォン(約1億2242万円~3億1105万円)の予算が投入されることになるものと推算される。
また、この条例案を歓迎する人の中には「支援対象(年齢)の拡大を望む」という意見も出ている。
一方「脱毛への支援より、住居など青年たちが直面している問題に予算を集中すべきだ」という指摘もかなり出ている。ある28歳の会社員は「脱毛は治療を行なっても再発するおそれがあることから持続的な治療が必要となるが、はっきりしていないことに青年だけのための支援案を出すことは予算の浪費だと思う」とし「本当に必要な予算なら、むしろ青年住居問題など他の急がれる懸案にアプローチすることが適切だと思う」と語った。
このような脱毛支援に関する論争は、今回が初めてではない。昨年の大統領選挙でも、イ・ジェミョン(李在明)候補(現野党“共に民主党”代表)が公約として掲げたことで話題となった。
一方、専門家たちは「景気が鈍化している状況の中、青年たちの生存に直結した求職活動などに予算を投入し支援することがより望ましい」とみている。ハニャン(漢陽)大学のキム・テユン行政学科教授は「青年たちの住居費・暖房費を補助したり、求職活動が活発にできるよう教育支援をすることに予算を投入することが適切な時期だ」と説明した。
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