防衛訓練は北朝鮮による先の弾道ミサイル発射を受け行われた。訓練には日本の海上自衛隊のイージス艦「あたご」(7700トン)、米国海軍のイージス艦「バリー」(6900トン)、韓国軍のイージス艦「世宗大王」(7600トン)が参加した。
仮想の標的を日本と韓国が探知・追跡し、米国に情報を伝え、米国が再び日本と韓国に情報を共有することで迎撃を行うという、一連の手順をシミュレーションした。韓国軍合同参謀本部は「韓日米は今回の訓練を通じて安保協力を強化し、対応システムをより強固にした」とした上で、今後このような協力を増やす考えを示した。
米インド太平洋軍司令部は22日、ホームページに訓練の実施を伝える発表文書を掲載。文書には「the Sea of Japan(日本海)で…」と実施場所が記されていた。日本海の表記について、韓国は国際社会に対し、従来から「東海」に改めるか、「東海」と「日本海」を併記すべきと主張し続けている。今回、訓練の実施場所が「the Sea of Japan」と記されていることが確認されたことから、韓国軍当局は米国に表記の訂正を求めた。
同司令部は昨年10月に3か国が日本海で訓練を行なった際も「日本海で実施した」と表記したが、韓国側の要請で「韓日間の水域」に訂正した。ただ、米国務省のウェブサイトなどには現在も日本海と表記された資料が掲載されている。また、昨年9月に行われた米韓海上合同演習の際には、米軍は韓国海域を東海と表記したが、日本側の抗議を受け「韓日間の水域」に修正した。
米インド太平洋軍司令部が「the Sea of Japan」との表記を用いたことに関し、韓国紙のハンギョレ新聞は「奇しくも訓練が行われたこの日は(島根県が条例で定める)『竹島の日』であり、米軍が日本側の意思に従ったのではないかとの声も上がっている」と伝えた。しかし、米国は公にはすべての公海に対し一つの名称のみを使用しており、米地名委員会(BGN)も「日本海」の表記を採用している。
日韓の間でこの呼称問題が起こったのは、1992年に開かれた「第6回国連地名標準化会議」での韓国側の主張がきっかけだ。この会議で韓国側が「日本海の呼称が普及したのは日本の拡張主義や植民地支配の結果である」などと主張し、「日本海」の呼称に異議を唱えた。
その後、韓国は97年から国際水路機関(IHO)の場でもIHOが刊行する「大洋と海の境界」が定める「日本海」の呼称に「東海」を併記すべきとの主張を始めた。
「大洋と海の境界」は世界各国が海図を作成する際に参照する文書で、1928年の初版から一貫して「Japan Sea」を日本海の呼称として定めている。そのため、米国や英国をはじめとする各国は、海図の作成にあたり、「Japan Sea」の呼称を用いている。
そんな中、IHOは2020年、「Japan Sea」の単独表記継続を盛り込んだ報告書を暫定承認。また、IHOが刊行する「大洋と海の境界」について、新たに「デジタル版」を発行する方針を固めた。
そもそも日本海の名称が「Japan Sea」であると日本側が主張する理由は、IHOによる表記のみに依拠するわけではない。日本側は「Japan Sea」の呼称について、「日本が鎖国状態にあった19世紀前半から既に国際的に認知され定着してきた」とし、「韓国および北朝鮮を除く世界の主要各国の地図の97%以上が『日本海』という呼称のみを使用しており、広く国際的に定着している」と説明。「日本海が国際的に確立した唯一の呼称」とする根拠を示している。
また、日本の外務省は従来から「国際社会が現に使用してきている日本海の名称に替えて、韓国国内の名称にすぎない『東海』を国際的な標準名称にしようとする動きは、国際的な海上交通の安全面にも影響を及ぼしかねない混乱を生じさせるため、認めることはできない」との立場を示している。一方、韓国が自国内で東海の名称を用いることについては「関知する立場ではない」としている。
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