イ・スンファン の最新ニュースまとめ
韓国では輸出不振に直面しており、月を追うごとに勢いが衰えている。月別に輸出の前年同月比を追うと、2021年5月をピークに伸び率は低下傾向にある。昨年10月以降は4か月連続でマイナスを記録。昨年の輸出を半期別にみると、上半期(1~6月)は前年同期比15.6%増の3505億ドルだったのに対し、下半期(7~12月)は同2.4%減の3332億ドルだった。
1月の輸出額は前年同月比16.6%減の462億8000万ドルで、半導体(44.5%減)と鉄鋼(25.9%減)、石油化学製品(25.0%減)をはじめとする多くの品目で不振が目立った。地域別では、対中輸出の減少率が31.4%に拡大し、それまで堅調だった対米輸出も6.1%のマイナスに転じた。
輸出不振の余波で昨年12月の製造業の生産は前月比3.5%減少した。企画財政部(部は省に相当)のイ・スンファン経済分析課長は「今月1~10日の輸出指標を一日平均基準に換算すると14.5%減となり、2桁減少が続いている」と説明した。
尹政権は経済再生を重視しており、尹大統領が元日に国民向けの「新年の辞」を発表した際も主に言及したのは経済分野だった。輸出の重要性を繰り返し強調し、「複合危機は輸出で突破しなければならない、輸出は韓国経済の根幹で、雇用の源泉」とした。また、「韓国の輸出戦略は過去とは変えなければならない」「全ての外交の中心を経済に置き、輸出戦略を直接構築する」と決意を示した。
23日の輸出戦略会議には関係閣僚や次官、大統領室関係者、民間企業の役員らが出席した。尹大統領は会議の冒頭、「輸出が鈍化し、貿易赤字が続けば、海外への依存度が高い韓国経済は非常に厳しくなる」と危機感を示し、輸出やスタートアップ(新興企業)の活性化が必要との認識を示した。
韓国は人口が多い国ではなく、国内マーケットの規模が限られているという制約がある。このため、国内に加え海外市場への進出を目指さなければ経済を成長させることはできない。尹大統領が輸出活性化の必要性を強調するのもうなずける。
戦略会議で尹大統領は、今年の輸出を0,2%増加させ、輸出額6850億ドルを達成すると宣言。各省庁に対し、輸出目標額を設定し、進ちょく状況を点検・管理していくよう指示した。
特にK-POPや韓国ドラマなどのコンテンツが世界的な人気を博し、輸出の規模が拡大していることから、K-コンテンツをファッションや観光、食品ITなどと結びつけ、付加価値としての活用に取り組むよう指示した。この日の会議には総合コンテンツ大手のCJ ENMや中堅ゲーム会社のクラフトン、ドラマ制作会社の関係者のほか、俳優のパク・ソンウンも出席した。
会議で韓国文化体育韓国部(部は省に相当)はK-コンテンツの年間輸出額を市場拡大の取り組みなどを通じて2027年までに現在の2倍に引き上げる計画を明らかにした。政府はまず、K-コンテンツの勢いが相対的に弱い中東や欧州、北米などの地域を集中的に攻略し、市場を広げる計画だ。特に石油産業を重視する傾向にあった中東諸国が最近になって先端技術や文化コンテンツに目を転じていることを受け、現地の言語や文化的背景を踏まえたコンテンツの普及を図る。また、K-POP公演などの文化イベントで接点を増やしていく。
韓国輸出入銀行は、K-コンテンツの輸出が増加するにつれて、化粧品や加工食品といった消費財の輸出が1.8倍に増加したとの分析結果を発表している。ただ、効果は地域別に異なり、非中華圏向けには、K-コンテンツの輸出額が1億ドル増加すると消費財輸出が2億2900万ドル増加した。また、コンテンツ別で相違があり、ゲームの輸出が1億ドル増加すると、消費財輸出が1億3800万ドル増加する一方、ゲームを除く音楽、放送、映画などで輸出が1億ドル増加すると消費財の輸出が4億5600万ドル増加すると試算された。
韓国の消費財の輸出効果は「非中華圏」「音楽・放送・映画」がカギになるそうで、政府は年内に米国や英国でK-コンテンツの見本市を開催するほか、米ニューヨーク、英ロンドン、独フランクフルトなどにコンテンツの海外展開の拠点を新設する。また、韓国科学技術情報通信部などはオンライン動画配信サービス(OTT)のコンテンツの競争力強化と海外進出促進のため、コンテンツ制作支援事業を拡充する方針を示している。
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