【ソウル聯合ニュース】国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は6日(現地時間)、オーストリア・ウィーンで開いた定例理事会の冒頭で、北朝鮮北東部・豊渓里の核実験場について「今なお核実験を支援する準備ができている」と述べ、「実験場内の3番坑道のそばで活動の兆候が継続して観測されている」と明らかにした。また、「4番坑道に向かう道は再建されたが、この坑道で掘削などの動向は捉えられていない」と報告した。 北朝鮮は3番坑道を復旧して核実験が可能な状態を維持しており、大型の核爆発実験が可能な4番坑道を活用するための進入路なども建設した。 一方、北朝鮮北西部・寧辺の核施設についてグロッシ氏は「5メガワットの原子炉と遠心分離濃縮施設が稼働を継続している兆候がある」と述べた。 また、昨年9月末から10月初めにかけては寧辺の実験用軽水炉の冷却システムをテストする状況が観測され、10月には軽水炉の冷却水の排出経路が変更されたと伝えた。 これと関連し、米国の北朝鮮核問題専門家のジークフリード・ヘッカー氏は北朝鮮が核弾頭約50個の生産能力を備えているとの見方を示した。 同氏は2010年以前に寧辺の核施設を4回訪問している。米政府系メディア、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)のインタビューで「北朝鮮は50キロ未満のプルトニウムと最大1000キロの高濃縮ウランを保有しているようだ」と説明し、「核爆弾の製造にプルトニウムは5~6キロ、高濃縮ウランは20キロ以上が必要になるため、北朝鮮は約50個の核兵器の生産能力を備えているはずだ」と見込んだ。 ヘッカー氏が推定した北朝鮮のプルトニウム保有量は韓国軍が予想する量より少ない。先月公表した2022年版の国防白書で、韓国軍は北朝鮮が約70キロのプルトニウムを保有しているとの見方を示した。
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