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漢江(ハンガン)の川辺が見下ろせる高級オフィスに、たった今淹れたばかりのコーヒーを手に、窓の外を見つめる洗練された女性の後姿が見える。ラグジュアリーなオーディオでCDがプレイされ、流れ続ける音楽を吟味するかのように、そっと目を閉じる彼女の顔と、かすかに動く指がクローズアップされる。
甘美なメロディの静かなクラシックが似合いそうな雰囲気。しかし事務室内に鳴り響き始めた歌は、「名札をつけて~この胸に~♪」で始まるトロット(演歌)界の重鎮ヒョン・チョルの『愛の名札』であった。
さっきとは余りにもアンバランスな状況…。その中で悠々とコーヒーカップに手をかけ、ボールペンをカチカチさせながら、お尻を軽く振って自己流のダンスを披露する彼女が、“涙の女王”ソン・イェジンだとは!
そう、ここは他でもない、映画『作業の定石』(監督:オ・ギファン/制作:チョンオラム)の撮影現場である。
MBCシットコム(シチュエーションコメディ)『アンニョン!フランチェスカ』のシン・ジョング作家が脚本を手がけている映画『作業の定石』は、現役最高の“恋愛の達人”たちが自分の名誉をかけて互いを誘惑する中で起こる特別なロマンス。“清純派”と“ジェントルマン”の代名詞であるソン・イェジンとソン・イルグクが、それぞれプロの恋愛師という男女主演の座を射とめた。
今回の映画でソン・イェジンは、純情可憐なイメージを脱ぎ捨て、キュートさを超えて“猟奇ハツラツ”に近い姿を見せる。このため、彼女は初のコメディ演技をどう表現していいかたっぷり悩み、話し合ったという。
特にスタッフたちは、優雅だった先ほどの行動と、トロットのリズムに身を任せ、歌を口ずさむという、反転と呼ぶにふさわしい相反したシーンの面白みを、果たしてソン・イェジンがしっかり活かすことができるかどうか、半信半疑であった。
しかし、この心配は撮影当日、全てスッキリ解消された。普段から“リズム音痴”と知られているソン・イェジンのリズム感ゼロのダンスはむしろ、味わいあるものとして描かれ、予想以上の笑いを誘った。
“男オトシ”の不敗神話ソン・イェジンと、“女ゴロシ”の絶対至尊ソン・イルグクの熱い対決が期待される映画『作業の定石』は、来年1月初旬に観客のもとを訪れる。
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