バイデン米政権は日韓首脳会談の開催を歓迎している。日米韓はとりわけ安保協力、特に北朝鮮の核・ミサイル開発の分析、ミサイル発射の兆候の探知、発射後の追尾や迎撃に関して、3か国の連携は欠かせない。米国は東アジアの厳しい安全保障環境の中で日韓の連携強化を望んでおり、両国の関係改善を求めてきた。それだけに日韓の両首脳が本格的な関係修復に乗り出したことを歓迎している。北朝鮮が16日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したことを受け、森健良外務事務次官と電話協議した米国務省のシャーマン副長官は、韓国政府が元徴用工訴訟問題の解決策を示したことにも言及し、「自由で開かれたインド太平洋に貢献した」と改めて歓迎の意思を示した。
また、バイデン氏は来月26日、尹大統領をホワイトハウスに国賓として招く。日韓関係の正常化を後押しし、3か国協調の基盤を固める狙いもあるとみられる。
一方、中国外務省の報道官は「日韓関係が地域の平和に役立つよう希望する」と述べる一方、対中包囲網が強まることへの警戒心も示した。オウ・ブンヒン報道官は16日の記者会見で、「隣国として、最近の日韓関係の変化に留意している」と述べた上で「中国と日本、韓国は重要な経済・貿易パートナーだ」と指摘。「日韓関係が地域の安定にとってプラスに発展するよう望む」と述べた。一方で、「一部の国が閉鎖的で排他的な小派閥を作ることに反対する」とし、日韓が接近し、米国主導の対中圧力で連携することに警戒心を見せた。また、オウ氏は歴史問題を持ち出して「日本軍国主義の対外戦略と植民地支配が、かつて中韓を含むアジアの国に甚大な災難を引き起こした」と批判した。
北朝鮮は日韓首脳会談について特に反応を示していないが、会談当日の朝、日本海に向けてICBMを発射した。日米韓3か国の安全保障協力の強化が図られる中、日韓関係が改善に向かう動きをけん制する狙いがあったとの見方も出ている。
尹大統領は日本へ出発する前、急きょ開かれた国家安全保障会議(NSC)の常任委員会に出席。ミサイルの発射について「北朝鮮の無謀な挑発は明らかな代価を払うだろう」と述べ、日米韓の安保協力の強化を強調した。また、13日から実施している米韓合同軍事演習「フリーダムシールド(自由の盾)」を徹底的に遂行するよう、軍に指示した。
首脳会談では、当日朝の北朝鮮によるミサイル発射についても協議し、岸田首相は「明白な挑発行為であり、看過はできない」と述べた。尹大統領も北朝鮮の核・ミサイル開発は国際社会の平和と安定の大きな脅威になっているとして、日韓は緊密に連携し、対処していかなければならないと述べた。
日韓首脳会談の開催は、国際会議にあわせたものを除けば2011年以来、約12年ぶりのことだった。
会談後、両首脳は共同記者会見に臨み、岸田首相は「長い冬の時期を抜けて、2国間訪問としては約12年ぶりに韓国の大統領を日本にお迎えした」と述べた上で「1965年の国交正常化以来の友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係をさらに発展させていく故余で一致した」と説明した。首相はまた、元徴用工訴訟問題をめぐり、韓国政府が解決策を示したことについて「非常に厳しい状態にあった日韓関係を健全な関係に戻すためのものとして評価している」とし、「日本政府は1998年10月に発表した日韓共同宣言を含む歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいることを確認した」と説明した。
尹大統領は「今年は過去を直視し、相互理解と信頼に基づいた関係を発展させるため、1998年に発表された『金大中・小渕共同宣言』(日韓共同宣言)から25年になる年」とした上で、「宣言の精神を発展的に継承して両国の不幸な歴史を克服し、韓日協力の新たな時代を開く一歩となった」と強調した。
関係修復へ大きく動き出した日韓。今後の動きを世界も注視している。
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