<W解説>韓国の有名観光スポット「明洞」、復活に導くのは「Kビューティー」?(画像提供:wowkorea)
<W解説>韓国の有名観光スポット「明洞」、復活に導くのは「Kビューティー」?(画像提供:wowkorea)
新型コロナウイルス対策のマスク着用の緩和を受け、化粧品やコスメ、スキンケアの売り上げが好調となっていることは、韓国で「ビューティー1番地」と呼ばれるミョンドン(明洞)のにぎわい復活にもつながっている。明洞はソウルを旅行したことがある観光客ならば、1度は訪れたことがあるだろう有名な観光スポットだが、新型コロナウイルスの感染拡大以降、一時、客足が途絶えた。しかし、最近、外国人観光客も多く訪れるようになってきており、韓国紙のハンギョレ新聞は「新型コロナで息をひそめていた明洞がよみがえった」とし、「『ビューティー1番地』の名声を取り戻せるかに関心が集まっている」と報じた。

明洞は美容関連の店が多く立ち並ぶ場所であることから「ビューティー1番地」「Kビューティーのメッカ」などとも呼ばれる。イニスフリー(innisfree)、ミシャ(MISSHA)、トニーモリー(TONYMOLY)、スキンフード(SKINFOOD)といった韓国のコスメブランドの看板を掲げ、主に20~30代の顧客を呼び込んできた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で客足は遠のき、閉店を余儀なくされる店も相次いだ。中でも外国人客、とりわけ購買意欲が旺盛な中国人観光客が来店しなくなったことは大きな打撃となった。

こうした中、韓国では、政府が今年1月末、商業施設など屋内のマスク着用義務を解除した。そして今月20日には公共交通機関でも着用義務が2年5か月ぶりに解除となった。これにより着用が求められるのは病院や薬局、高齢者施設などごく一部となった。

「脱マスク」の流れが広がり始めていることに伴い、化粧品やコスメ、スキンケアの商品の売り上げが好調となっている。業界もこの流れが今後さらに広がることを見通し、「攻め」の姿勢に転じている。

「ビューティー1番地」の明洞でも、「脱マスク」の流れが化粧品やコスメ、スキンケアを扱う店の売り上げ増をもたらし、にぎわい創出にもつながっている。明洞はもともと外国人観光客に人気の場所であるだけに、コロナの水際対策の緩和で外国人観光客が戻ってきたことも奏功した。

韓国のビューティー・ヘルスストア「CJオリーブヤング」が今月1~17日の明洞内の5店舗の売り上げを分析したところ、外国人客の売り上げが昨年同期比29倍増加したことが分かった。米国でSNSを通じて人気が広がった韓国のコスメブランド「朝鮮美女」は昨年8月に明洞の商店街に出店。毎月売り上げが30%ほど増加しているという。「朝鮮美女」の「清らかなコメ日焼けクリーム」は英米圏顧客に人気商品1位となり、外国人全体の人気商品でも6位になった。

ハンギョレ新聞によると、マスクパックが主流だった外国人客の購入商品も多様化してきているという。韓国ドラマの人気に乗って韓国人の肌の美容に関心を持つようになった東南アジアの顧客は、主にシワ改善機能を前面に掲げた「スローエイジング」商品を、英米圏の顧客は「韓国型日焼け止めクリーム」に高い関心を示した。中国人客にはマスクパックよりポイントメイク用品が、日本人客にはホワイトニングやトリートメントの製品が特に人気だという。

CJオリーブヤングの関係者はハンギョレ新聞の取材に「優れた商品力と適合した販売チャンネルがあれば、有名なモデルを起用できない中小企業の製品でも十分に外国人を魅了できる」と話した。実際に、トリデン(Toriden)、ラウンドラボ(ROUND LAB)といった中小・中堅企業のブランドも明洞で売り上げを伸ばしているという。

CJオリーブヤングの関係者は同紙の取材に「明洞の商店街に観光客が戻ってきて、売り場を訪れる顧客が急速に増えている」と手応えを口にした。

明洞という地名は当時の行政区域であった「ミョンネバン(明礼坊)」に由来する。解放後の1946年に「明礼坊」の「明」と「人が多く集まる明るい街」という意味を合わせ、現在の「明洞」という地名が生まれた。

「ビューティー1番地」の復活から明洞全体の活気へとつなげられれば、コロナ禍前の「人が多く集まる明るい街」によみがえることができるだろう。

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