イ・ジフン の最新ニュースまとめ
今月7日午後、ソウルのソデムン(西大門)区シンチョン(新村)ヨンセ(延世)路にあるラーメン店では、ねぎを切る音が大きく響いていた。週末を前にした金曜日の午後なのに客の会話はほぼ聞こえない。9坪余りの店内に置かれたテーブル10卓のうち、客が座っているのはわずか1卓だ。妻と一緒に店を切り盛りするオさん(55歳)は「“車のない街”が終わり(商売は)もっと苦しい」と話して首を振った。
ソウル市内の主な大学街に数えられる新村延世路。いわゆる“車のない街”だった公共交通専用地区が再び全車両が24時間通行できるようになってから約2か月が過ぎたが、人波と商圏の回復は遅れている。通行再開により延世路を通る車両は増えたが、一部の市民は気にせず無断横断をするケースが多く見られた。
実際、今月5日午後の延世路にある現代デパートU-FLEX新村店前の横断歩道では、青信号になる前に男性が道路を渡った。続いてキックボードに乗った他の男性も左右を見て車両がないと道路を横切って行った。
延世路の中心街で約5分間観察した結果、11人の市民が横断歩道や信号を無視して自由に道を渡ったり、ここを通る車両と交錯したりしていた。特にある車は赤信号にも関わらず人の波を遮ってバス専用路を防ぎ、バスがクラクションを鳴らし、周辺の市民の目を集めていた。
延世大学の学生イ・ジフンさん(24)は「(車のない街の解除を)みんな知っていますが、(車のない街の施行で)気楽に歩いていた習慣が抜けず、無意識に無断横断をしてしまっている」としながら「(施行終了で)商圏が残っているのかよく分からないし、通行量が多くなって歩行者と交錯し面倒になっただけです」と話した。
延世路一帯の商人たちも“車のある街”効果を特に感じていないようだ。現地で15年コンビニエンスストアを経営しているキムさん(59)は「今の売上は2年前に比べると40%レベル」とし「今年に入って向かいの川の拡大で流動人口が増加しただけで、車のない街の有無とは関係ないと思う」と吐露した。同時に「2013年からコロナ前の100万人が訪れていた「新村水鉄砲祭り」のような地域祭りが定期的に開かれるほうがはるかに効果的だ」と付け加えた。
昨年11月、この地に飲食店を構えたクァクモさん(58)さんも「(車のない街解除)前後の売上げは変わらない」とし「ホンデ(弘大)といえばクラブ、テハンノ(大学路)といえば劇場のように新村をわざわざ訪れるようにする誘致するべきで、車両の運行については次の段階で議論してもよいだろう」と指摘した。
西大門区は最近のコロナ禍で凍っていた商圏を生かそうと1月20日から9月まで新村延世路の公共交通専用地区を試験的に解除して車両運行を再開した。2014年の延世路公共交通専用地区施行以来約8年ぶりだ。6月までの売上高など商圏の変化を把握して9月までに通行速度など交通をモニタリングして最終運営方案を決定するという計画だ。
しかし、施行から2か月が過ぎた現在まで期待された効果には及ばず、より根本的に商圏を生かす代替案が必要だという提言が続く。ソク・ビョンフン イファ(梨花)女子大学経済学科教授は「新村周辺の大学街を中心にアメリカのシリコンバレーのように青年たちに創業空間と教育を提供すれば、新村が若者の街であり創業のメッカとして新しい商圏が形成される可能性もある」と話した。
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