<W解説>韓国・首相が竹島めぐり、うっかり言い間違えて直ちに訂正(画像提供:wowkorea)
<W解説>韓国・首相が竹島めぐり、うっかり言い間違えて直ちに訂正(画像提供:wowkorea)
韓国のハン・ドクス首相が今月5日、国会質問で野党議員から「独島(竹島の韓国名)はわが国の領土か」と問われ「絶対に違います」と言い間違える一幕があった。ハン氏は直後に発言を訂正したが、本会議場はどよめきが起こった。ハン首相は3日の国会質問でも、先月韓国政府が発表した元徴用工訴訟問題の解決策について「一番大きな石をどかした」と発言したことが物議を醸している。

竹島をめぐっては、日本の文部科学省が先月28日、来春から小学校で使用される教科書の検定結果を公表した中、合格した教科書で竹島について「日本固有の領土」と明記されたことに竹島を独島と主張する韓国政府が反発。外交部(外務省に相当)は「教科書に不当な主張が盛り込まれた」として強い遺憾を表明する報道官声明を発表したほか、チョ・ヒョンドン第1外務次官は、ソウルにある日本大使館の熊谷直樹総括公使を呼んで抗議した。

外交部は報道官声明で「日本政府が数十年間続けてきた無理な主張を踏襲した小学校教科書の検定を通過(合格)させたことに深い遺憾の意を表す」とした上で、「歴史的・地理的・国際法的に明白な韓国固有の領土である独島に対する不当な主張が盛り込まれた教科書の検定を再び通過させたことに強く抗議し、独島に対する日本のいかなる主張も受け入れられない」と強調した。

さらに外交部は日本大使館の熊谷総括公使を呼んで抗議したが、熊谷氏は「竹島は、歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も明らかに日本の固有の領土だ」とし、抗議は受け入れられないとの立場を伝えた。

また、韓国教育部(部は省に相当)は「未来志向の韓日関係のため、日本政府は韓国の領土と歴史に対する不当な主張を直ちにやめるよう願う」とした上で、小中高生に対する歴史教育を強化する方針を示した。

最大野党「共に民主党」は批判の矛先を韓国政府にも向けた。同党のイ・ジェミョン(李在明)代表は「政府の過ちも大きい」とし、「一方的にこちらから与えるだけの屈辱外交で、日本に好き勝手にしてもいいという信号を送ったせいだ」と批判した。パク・ホングン院内代表は「政府はマニュアルに沿って対応するかのように、遺憾の表明と大使代理の呼び出しで終わった」とし、「無能対処でいい加減にやり過ごす手段はやめて、駐日大使の召還をはじめ、実効的かつ強力な外交措置を総動員することを求める。今回のことは絶対に見過ごせず、尹大統領も岸田文雄首相に直接抗議して撤回を要求せよ」と要求した。


韓国政府の姿勢に批判が高まる中、ハン・ドクス首相は5日、国会質問で「共に民主党」の議員から「独島はわが国の領土か」と問われ、「絶対に違う」と答弁する一幕があった。議場内はざわめき、質問した同党議員も「えっ?独島は…」と困惑した様子を見せた。ハン首相は直後に首を横に振り、「いえ、違います。申し訳ありません。絶対に日本の領土ではありません」と訂正した。

ハン首相は「絶対に違う」とする対象を間違えたわけだが、前述の教科書検定をめぐって韓国政府の対応が弱腰だと批判を受けている最中だけに、何とも痛い言い間違えとなった。

ハン首相の発言をめぐっては、今月3日の国会質問で、先月、韓国政府が発表した日韓最大の懸案である元徴用工訴訟問題の解決策について「一番大きな石をどかした。こうした石をどかした努力を土台にこれから一つずつ、全て議論しながら解決する方向で努力していく」との発言も波紋を広げている。この発言を受け、多数の市民団体でつくる「歴史主義と平和な韓日関係のための共同行動」は声明を発表し、「徴用被害者を韓日関係の障害物扱いする容認できない暴言」「被害者をおとしめた」などと批判した。

一方、4日の国会質問で野党議員から発言について改めて指摘を受けたハン氏は「石と表現したのは韓日関係を極度に悪化させた問題を解決したという話だ。私が大韓民国の国民に対して石だと言うわけがない」とし「意図を曲解しないでほしい」と述べた。

ここへきて、日韓の懸案をめぐって言葉の揚げ足取りをしているようにも受け取れる野党の行動が目立つが、こうしたことが続けば、日韓の問題の解決の着地点を再び遠のかせてしまうのではないかと懸念はぬぐえない。

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