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米ニューヨーク・タイムズは7日、バイデン政権の複数の高官の話として、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐる米政府の機密文書が流出し、SNS上で拡散していると報道。米国防総省や司法省がSNS上に投稿された経緯について調査に乗り出した。流出については、ロシアによる情報戦の一環との見方も出ている。
さらにニューヨーク・タイムズは、流出した文書の中にはウクライナに武器を提供しない方針の韓国政府が、米国から圧力を受け内部で検討を行うやり取りなどが含まれているとも報じた。
報道を受けて韓国大統領室は9日、チョ・テヨン安保室長の主宰で対応会議を開いた。その後の記者会見で大統領室は「提起された問題について米国側と必要な協議を行い、対応策を講じていく」との方針を示した。一方、野党や政権に批判的なメディアは「主権侵害」「内政干渉」などと批判した。
その後、大統領室は11日、両国の国防長官は、文書のほとんどがねつ造されたものだとの見解で一致したと明らかにした。その上で、ソウルのヨンサン(龍山)に移転した現在の大統領府には、かつての青瓦台よりはるかに強化された盗聴防止システムがあると主張。「強固な韓米同盟のため、両国の信頼と協力体制をさらに強化していく」とした。また、米国務省の副報道官は10日(現地時間)、「アメリカは機密情報を含む文書を保護し、同盟国やパートナー国との関係においてセキュリティーを保つことに専念している」と述べた。
この発表に、政権に批判的なハンギョレ新聞は「ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領と大統領室は、米国政府に抗議したり謝罪を求めたりすることはなかった」と指摘した。野党「共に民主党」のパク・ソンジュン報道官は「偽造されたという文書を直接原本の文書と対照して確認し、米情報機関の盗聴がなかったことも明確に確認したのか」と疑問を呈し、「このような問いに答えられないのなら、世論をなだめるための虚偽の釈明だ」と非難した。政府の対応には与党からもさらなる調査を求める声が出ている。「国民の力」のハ・テギョン議員は「米国政府に強く抗議し、謝罪も求めなければならない」とした。アン・チョルス議員は「韓国政府は徹底的に調査し、問題が発見されれば確実に提起し、再発防止の約束を取り付けることが必要だ。友好国の米国に対して私たちの堂々たる態度を示すことが必要な時」と指摘した。
しかし、国家安保室のキム・テヒョ第1次長は「アメリカがわれわれに何らかの悪意を持って盗聴を行ったと思われる状況ではない」とし、これ以上、外交的に問題視しない方針を示した。また、外交部(外務省に相当)のパク・チン長官は12日、「大統領室も発表したように、相当数の文書がねつ造されたものとみている」とした上で、「この問題でアメリカと緊密に意思疎通を図っている。アメリカ政府の調べで真相が把握されれば韓米間で情報を共有することになる」と説明した。
今月26日には尹大統領の米国への国賓訪問を控えている。ハンギョレ新聞は、大統領室がこの問題に低姿勢でいる理由は尹氏の訪米と関係があるとみられると指摘。「『堅固な韓米情報同盟』を前面に掲げて急いで幕引きを図り、26日の韓米首脳会談に向かう構えだ」と伝えた。
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