地裁前で記者会見をするキム・ソンテさんら原告=17日、ソウル(聯合ニュース)
地裁前で記者会見をするキム・ソンテさんら原告=17日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】朝鮮戦争中に北朝鮮軍の捕虜になり、後に脱北した韓国軍兵士とその遺族ら5人が北朝鮮と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)に損害賠償を求め2020年9月に起こした訴訟の第1回口頭弁論が17日、ソウル中央地裁であった。これに先立ち原告側は記者会見を開き、90代のキム・ソンテさんは「訴訟を起こしてから3年近くたつが、政府はわれわれの要求を聞いてくれない」として、早期の解決を訴えた。 キムさんら原告は朝鮮戦争中に北朝鮮に捕らえられ、1953年9月に内務省の建設隊に配属されてから3年近く、炭鉱で労働させられたという。その後、北朝鮮社会での暮らしを強いられていたが、2000~01年に脱北した。 原告は提訴から2年7カ月で第1回口頭弁論期日を迎えた。北朝鮮政権と金正恩氏を訴えてもこれを北朝鮮側に伝える手立てが無く、裁判所の掲示や官報公告などをもって内容が伝達されたと見なす公示送達に時間を要した。その間に原告5人のうち3人が死去した。 地裁は来月1日に弁論終結とする予定だ。 北朝鮮の捕虜となった元韓国軍兵士が北朝鮮と金正恩氏を相手取り損害賠償を求めた訴訟はこれが2例目。2人の元兵士が起こした最初の訴訟で、原告は20年7月の一審で勝訴したが、賠償金は支払われていない。賠償金受け取りのため南北経済文化協力財団を相手取った訴訟では昨年敗訴した。
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