(画像提供:wowkorea)
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韓国の友人から「ミッコナマルゴナ(信んじようと信じまいと)」を前提に「韓国女性が強いのは朝鮮半島の“(土)地の気運”のせいでもある」と言う説を吹聴されました。根拠はありませんが妙に説得力があるので紹介します。

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 日本の半島統治時代、大規模な非武装独立運動(3・1独立運動)の先頭に立ったのが、わずかか16歳の少女ユ・グァンスン(柳寛順)。戦後(韓国戦争)、韓国の高度経済成長を支えたのが、縫製、カツラ、電子部品など軽工業品の輸出を担った名もない女工達。彼女たちは貧しい生活の中で自身を犠牲にして弟を大学(彼らが後に韓国経済の担い手に)に行かせるため身を粉にして働き続けました。

 スポーツ界では1997年の韓国の経済破綻(IMF管理体制)で打ちひしがれた韓国民に希望の光を与えた21歳ゴルファー朴セリ(1998のUSオープン優勝)。彼女のボールがハザードにつかまった時点で、見ているわれわれは優勝は叶わないものと諦めていました。

 しかし、彼女は靴を脱ぎ素足でハザードに入りボールを打つ姿勢に入りました。ハザードからボールを出して打ち直してもペナルティがかかるなら一か八かの勝負に出て、見事にグリーンに乗せ、韓国人初のメジャー大会を制しました。

 彼女の集中力と度胸もさることながら、朴セリが靴下を脱いだ時、テレビを見ている韓国民はわが目を疑いました。靴下を脱いだ素足の白さとショートパンツの下に露出された足の日焼けした黒さに目を見張りました。

 これまで彼女がいかに死に物狂いで練習してきたかをそのコントラストが一目瞭然に証明してみせました。テレビで彼女の姿を見た韓国民は“あの小娘ですら頑張っているのに大人のわれわれが打ちひしがれて酒に浸ってよいのか”と、やる気を振るい立たせました。

 彼女の活躍は大人だけでなく、小さな子ども(朴セリ・キッズ:朴セリの影響を受け、後ほどプロゴルフ選手になった子ども)たちにも刺激を与え、今や日本をはじめ世界の女子プロゴルフ界に旋風を巻き起す起点になりました。

 昨年の東京オリンピックで韓国の金メダルを量産した女子アーチェリーチームの驚異的な精神力は世界でも高く評価されました。競争相手国の選手が満点の矢を決めてもペースを失わず、女王の座を守り抜いた技量は高く評価されました。

 オリンピックにおいてメインである陸上や水泳にはその層の薄さから金メダルがほとんど獲得できない(水泳、マラソンで各1個)韓国にとっては女子アーチェリー(金メダル19個)こそが韓国のメンツを保っています。(1988年のソウル五輪から2020年の東京オリンピックの女子団体戦9連覇)

 韓国では不人気であった冬季オリンピックはバンクーバー五輪でキム・ヨナがフィギュアスケート史上初めて金メダル獲得して、一気に韓国民の関心を集めました。この時のライバルが浅田真央。私の独断と偏見ですが、2人の戦いに日韓の気質の違いが明暗を分けた気がします。

 技量的には甲乙付け難たかったのですが浅田真央には日本の人が持ってる優しさや“ほんわかさ”が感じられ、反面キン・ヨナには韓国人が持ってる自己中的な気の強さが感じられました。どちらも金メダルへの重圧があったでしょうが、他人、社会への気配りを大切にする(その分気が散りやすく集中するのに時間がかかる)日本の社会で育まれてきた浅田真央と他人への気遣いよりも“まず自分と言う自己中”的社会の中でもまれてきたキム・ヨナの集中力が勝敗を決めたような気がします。

 このようなスポーツ界だけでなく韓国の男性たちのお尻をたたきながら自ら立ち上がり、旦那の安い給料を元手にして頼母子講(たのもしこう、民間互助組織)や親をはじめとする親類や友人らに片っ端から金策をお願いし、時には高利貸しのお金を借りてでも、インフレの真っただ中で数ある物件の中から優良物件を嗅ぎ付け、ハイリスクが伴うマンションや土地を何度も転売して資産を増やし、住家を確保したばかりか子供をそれなりの大学に行かせ家族家庭を守って来たのは韓国女性の思いっ切りと気の強さのたまものです。

 ややもすれば破産しかねない修羅場をくくり抜けるまでの心労は並大抵のことではなかったに違いありません。そうでなくてもすでに1970代には「オムチョシハ(厳妻侍下)」(夫が厳しい妻に、はべるしもべだと嘆く恐妻家の歌)がはやったぐらいでしたので、そのパワーたるや推して知るべしといったとこでしょうか。

 ですから彼女たちの“この国を、男を支えてきたという自負心”が韓国をして「オムチョシハ」の国にしたと言えます。もちろん、表面上は男を立てへりくだるしたたかさも兼ね備えているところが韓国女性のすごいところでもあります。

 このように見てくると“朝鮮半島の土壌(の気運/地政学的な試練)は女性を強くする”と言う友人の言葉に説得力があります^^

 今まで封建的な儒教の影響で女性は抑圧されてきましたが、民主化が進んできた現代は女性が各分野で男性を圧倒してます。外務部(日本の外務省に該当)をはじめとする国家公務員試験のトップ合格に女性が顔を連ね、女性合格者の数も年々増加しています。

 だけでなく世界中で吹き荒れた“ME TOO”(男性からの被害を訴えるフェミニスト運動)は韓国の政界を揺るがし、韓国の二大都市ソウルとプサン(釜山)の市長、そして将来の大統領候補と目された知事をも有罪に追い込んだことからも、社会的に韓国女性が男性と同等かそれ以上になるのは、もはや時間の問題だと言えます。

※権鎔大(ゴン・ヨンデ)韓日気質比較研究会代表の寄稿。ソウル大学史学科卒業、同新聞大学院修了。大韓航空訓練センター勤務。アシアナ航空の日本責任者・中国責任者として勤務。「あなたは本当に『韓国』を知っている?」の著者。

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