【ソウル聯合ニュース】韓国政府が20日、フェイクニュースによる被害が拡大していることを受け、これを撲滅するために総力を挙げると宣言した。社会的なあつれきや反目を助長するフェイクニュースによる悪影響が危険水位を超えたという判断から、特別タスクフォース(TF)の機能を全面的に強化し、詳細な検証をすることでフェイクニュースを排除する方針だ。 朴普均(パク・ボギュン)文化体育観光部長官は同日出した報道資料で、フェイクニュースが拡散する速度は感染症よりも速く、その形態も巧妙かつ執拗(しつよう)だと指摘した。 政府はインターネットや交流サイト(SNS)など通じて急速に広がるフェイクニュースにより健全な情報流通の秩序が崩れ、このまま放置すれば、政局はもちろん社会に混乱を招きかねないとみなしている。 実際、フェイクニュースは政治、社会、芸能など分野を問わず急速に拡散している。 あるユーチューブチャンネルは今月6日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が地方公共団体の関係者との会食で「日光水産」という店を利用したとし、この日光は日本の旭日旗に由来すると伝えた。しかし政府によると、同店名は釜山市機張郡の地名に由来するものという。 芸能界もフェイクニュースに頭を悩ませている。先月20日に、大ヒットドラマ「愛の不時着」で共演した俳優の
ヒョンビンさんと女優のソン・イェジンさん夫婦が離婚したというフェイクニュースがあるユーチューブチャンネルで拡散された。 再生数が収益につながるため、刺激的なフェイクニュースは一部のユーチューバーにとって手放せないコンテンツとなっている。 国民もこのようなフェイクニュースを深刻な国の脅威とみている。 米調査機関「ピュー・リサーチ・センター」が昨年8月に米国、英国、フランスなど19カ国の国民を対象に実施した調査によると、韓国の国民は「オンライン上の偽情報の拡散」が自国の主要な脅威になると挙げた割合が82%に達した。これは調査対象国の中で最も高い割合で、平均の70%を大きく上回った。 これに伴い、政府は来月、政府系の言論振興財団に「フェイクニュース通報・相談センター」を設置し、フェイクニュースによる被害を受け付け、救済手続きに対する情報などを提供する計画だ。 また政府が運営するウェブサイトやユーチューブチャンネルを通じて国民に正確な事実を伝える機能を強化する。 文化体育観光部の関係者は「政府を挙げて政策関連のフェイクニュースを素早く発見し、事実関係確認などを経て迅速な対応をしていく」と話した。
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