中国官営メディアは「韓国のユン・ソギョル(尹錫悦)大統領は27日(現地時間)の米議会演説を通じて、域内の対立構造を深める “パンドラの箱”を開ける準備ができている」として先のように批判した。
中国官営英字紙“チャイナデイリー”は29日付けの社説で「尹大統領の演説は米国議員たちの起立拍手を受けたが、その歓待の輝きが色あせれば、対米依存的な今回の訪米が国内と地域にもたらした不安に直面するだろう」と評価した。
社説は「長い間、戦略的自主性を重視しながら北朝鮮との和解を目指し、対日歴史問題において基本線を守り、中国・ロシアとの間で建設的な関係を維持して域内の地政学的バランスを強調してきた韓国外交の一大変化を事実上宣言したことに対し、韓国国内で不満が高まる危険がある」と主張した。
また「尹大統領は演説で中国を名指ししないようにしたが、チャンジンホ(長津湖)の戦いを大胆に取り上げ起立拍手を受けた」とし「中国の心を傷つけながら、米国の腕に抱かれる準備ができていることを示した」と伝えた。
「長津湖の戦い」は1950年の冬(朝鮮戦争で)、北朝鮮ハムギョンナムド(咸鏡南道)チャンジン(長津)郡の長津湖一帯まで北進した米海兵1師団が、中国共産党軍(中共軍)7師団に包囲され全滅の危機に直面したが、包囲網を破って撤収した過程のことをいう。
双方で多くの死傷者が発生したこの戦闘について、尹大統領は演説で「米海兵隊1師団は長津湖の戦いで、中共軍12万人の人海戦術を突破する奇跡のような成果を収めた」と語ったことで、中国が批判したのである。
社説は「尹大統領がウクライナ危機において米国と盲目的に行動を共にするのは、平和交渉を促進しようとする国際社会の努力を害するだけでなく、北東アジアの状況を一層複雑にするだろう」と主張した。つづけて「尹大統領は、パンドラの箱のふたを開けることで箱から出てくるものが何なのかについては感知できないでいる」と批判した。
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