慶尚北道の道議会によると、第340回議会の第1回定例本会議を、来月12日に竹島の船着き場で開く予定という。議長をはじめ、道議員、イ・チョルウ知事ら約150人が出席する見通しで、「独島守護決起大会」を開く計画。島の管理事務所に勤務する関係者の激励も行う。
道議会が島で本会議を行うのは今回で5回目で、これまで、2006年10月、2010年8月、2015年4月、2019年6月にも開いている。
慶尚北道では、これまで行政として島の領有権を主張してきた。かつて島根県と姉妹提携を結んでいたが、2005年に島根県が「竹島の日」を制定すると、関係を撤回し、断交を宣言した。当時、道議会は日章旗を燃やすなどして抗議したほか、韓国側に島の領有権があることを全面的に打ち出すキャンペーンの一環として10月を「独島の月」と制定した。10月と定めたのは、1900年10月25日に島を管轄地域に指定したという韓国側の主張に沿ったためだ。また、韓国の市民団体の独島守護隊は、10月25日を「独島の日」と定めている。
地元の子どもたちを巻き込んだキャンペーンを開催したこともあり、2021年の東京五輪開会前には、小中高生らを対象に「2021独島教育オリンピック」なる催しを開催。「独島愛クイズ大会」や「独島守護決意大会」などといった企画を展開した。当時、韓国は、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会のホームページの地図について、「独島が日本の領土のように表記されている」と指摘し、反発を強めていた。
今日7日には岸田文雄首相が、ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領と日韓首脳会談を行うが、これに関連し、韓国の最大野党「共に民主党」は、会談で島の領有権問題を取り上げるよう求めている。こうした中、今月2日には、同党所属のチョン・ヨンギ議員が学生団体のメンバーら十数人と竹島に上陸した。チョン議員らは韓国国旗を振り、「独島は我々の領土だ」などと叫んだという。韓国の国会議員が竹島に上陸するのは、2021年8月以来。チョン議員は対日関係の改善を進める尹政権を「屈辱的」と批判し、先月28日にも島を目指したが、波が高く上陸は断念していた。チョン議員は当選1回の若手。上陸後、自身のSNSに「独島がわが領土であることを直接立証した」などと投稿した。
一方、外務省の船越健裕アジア大洋州局長は、キム・ヨンギル駐日韓国大使館次席公使に対し、「到底受け入れることはできず、極めて遺憾だ」と抗議した。
島に上陸したチョン氏は5日、韓国のラジオ番組で改めて真意を説明。「日本は安保文書にも既に竹島が日本の領土だと記述しており、今は外交演説でも主張している。我々も世界の人々に対して独島が韓国の領土だということを知らせなければならないと考え、青年委員(学生団体)らと上陸することを決めた」と語った。
しかし、チョン氏の竹島上陸には韓国内でも批判がある。これまで韓国政府は島の領有権争いの存在そのものを認めておらず、島は明らかに韓国の領土であるという立場から、そもそも外交交渉や司法での解決の対象になるものではないとしてきている。しかし、議員が島に上陸して領有権を主張すれば、竹島が論争の対象であると認めることになり、政府の立場と整合性がとれない。梨花女子大学のパク・ウォンゴン教授は、韓国紙・朝鮮日報の取材に「今回のような事例が何度も続けば、日本だけが有利になるだろう」と懸念を示した。
一方、日本では、竹島問題に関して、毎度のごとく「抗議する」、「遺憾の意を示す」といった反応にとどまっていることに批判も出ている。ネット上では今日7日、岸田首相が訪韓することに関連し「このタイミングで竹島上陸。完全に舐められていますね」「岸田総理は今すぐ韓国訪問中止を発表した方がいいと思います」などといったコメントが上がっている。また、「過去の日韓首脳会談でどれだけ竹島問題を取り上げたことがあるのかわからないが、さすがに今回は真正面から突きつけざるを得ない」などと、会談で議題に上げるよう求める声もあった。
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