映画『ザ・ゲーム』のシン・ハギュン=22日、ソウル(聯合)
映画『ザ・ゲーム』のシン・ハギュン=22日、ソウル(聯合)
31日公開の映画『ザ・ゲーム』に主演する俳優のシン・ハギュンは、今回の作品での演技に「もっとうまくできたはずなのに」と無念さをにじませた。『地球を守れ!』(2003年)で見せたはじけた演技が観客の脳裏に強く刻まれており、国内では善と悪の2つの役回りを自然にこなせる貴重な俳優の座を確固たるものにしている。

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今回の作品でも、外見は純粋な青年でありながら、中身は野欲に満ちた老人という役で、それだけでシン・ハギュンに適役との印象を与えている。「2人の主人公、カン・ノシクとミン・ヒドが体を入れ替えてから、観客が映画についていけるかがカギです。俳優が観客を引き込めず、基本設定に拒否感が生まれれば映画はつまらなくなりますからね。それがプレッシャーでした。試写会を見て自分の演技に無念さが残りました…」。

青年の体を持つことになった老人の役は、俳優としては大きなチャレンジであり変身だ。さらに漫画のような想像力で始まるスリラー映画であり、事件の展開も速く、実力がなければ演じ切るのも大変だ。しかしシン・ハギュンは節制した姿でキャラクターを主導した。「キャラクターには俳優が想像力で補わねばならない部分が多かったです。僕はまず、カン・ノシクとミン・ヒド、2人の共通点を探ろうとしました。映画が本質的に伝えようとする部分に近づかなければならないのですが、それはすなわち人間の愚かさでしょう。原始的な欲に目がくらむキャラクターだと思いました」。

映画でキャラクターを最も満足に表現できたシーンを問うと、「満足な部分はないです。全部が残念です」と手を振った。繰り返したずねるとようやく、「カン・ノシクが会社役員らの前で静かに話し始めながら、結局は腹立ちまぎれに声を荒げる部分がよかったようです」と話した。

自身の演技評価には言葉も少なかったが、全般的な演技論に話が及ぶとようやく話し始めた。
「あまりのめり込まないようにしています。少し離れたところから理性的に、計算的に、作品全体がどのように描かれるのかを判断しようと努力するほうですね。もちろん撮影に入ればどうしても完全にのめり込むことがありますよ。演劇時代に先輩からもらった貴重なアドバイスとして“俳優自身が悲しく辛くても、観客がそれをわからなければ意味がない”というのがあります。感情的な没入と理性的な計算が交わるところがどこなのか、いつも悩んでいます」。

善と悪を行き来する、ヤヌス(ローマ神話に登場する2つの顔を持つ神)のような演技については「どっちも演技しやすいものではないです。どちらか一方に偏らないよう努力してます」と説明した。「キャラクターを善悪に分けては面白くないですよ。今回の人物も単なる悪者に見えないように演技しましたし。これからも片側だけを見せる考えはないですね。一言で表現できない複雑な人物を見せたいです」

デビューから10年、すでに演技派俳優として定着している彼の目標を聞いた。「観客に、シン・ハギュンという名前ではなく、映画の中の人物としてわたしを記憶してほしいです。わたしに演技という人生経験が溶け込んでいるだけに、信頼でき、観客と感じ合える俳優になりたいです」。

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