韓国政府が中央災難(災害)安全対策本部の会議で明らかにした計画によると、来月1日から感染者の7日間の隔離義務を5日間の隔離勧告に緩和する。入国3日後のPCR検査勧告を終了するほか、小規模の医療機関や薬局などでのマスク着用義務も解除し、入院病棟のある病院のみ対象とする。また、現在、日曜日を除いて毎日集計・発表している感染者数の集計は、週単位に変更する。新型コロナへの対応は政府の中央災難安全対策本部から保健福祉部(部は省に相当)の中央事故収集本部が統括することになる。一方、コロナ関連の検査や治療費の公的支援は当面継続する。
防疫当局は「現在の対応システムの下で安定的な管理が可能であり、世界的にも非常事態から脱して長期的な管理システムへの転換が可能な時期が到来した」と説明した。一方、今後、大規模な再流行が発生した場合は防疫対策を再び強化するとも強調した。
韓国紙のハンギョレ新聞は「この3年間世界を襲った新型コロナが、季節性のインフルエンザ同様の風土病扱いになる段階に入ったわけだ」とした上で「政府が新型コロナ警戒警報を4段階のうち最高段階である『深刻』から『警戒』に緩和したのは、今や韓国社会が非常事態から抜け出す時だという宣言といえる」と解説した。
会議で、非常事態の終息を宣言した尹大統領は「これまで新型コロナウイルス感染症の克服のために献身した医師、看護師、看護助手が(会議に)一堂に会している」と切り出し、出席者に対し「大きな拍手をお願いする」と呼びかけた。さらに尹大統領は「私も何度か新型コロナウイルス感染症の診療を担当する病院を訪れたが、本当に医療スタッフは大変な苦労をした。この方々の協力のおかげでパンデミック(世界的大流行)を克服することができた」とこれまでコロナの最前線で奮闘してきた医療関係者に感謝した。
尹大統領の呼びかけに応えるように出席者は全員起立し、会議に出席していた医師や看護師、看護助手ら12人に向かって拍手してねぎらった。朝鮮日報は「2020年1月、韓国で初めて新型コロナウイルスの感染者が発生してから3年4か月、最前線で死闘を繰り広げ、医療システム崩壊という最悪の事態を防いだ全国の保健医療関係者全員に送る拍手だった。会議に参加した医療スタッフはそれぞれ役割と服装は違ったが、(出席者は)一緒に立ち上がり、頭を下げて謝意を表した」と伝えた。
韓国政府が新型コロナウイルスのいわゆる「非常事態終息宣言」をしてから初の週末となった13、14日、ソウルの繁華街はにぎわいを見せた。外国人観光客の姿も多く見られ、朝鮮日報は「若者が多いソウル市カンナム(江南)区の街路樹通り(カロスキル)やマポ(麻浦)区のホンデ(弘大)などは流動人口の25~30%が外国人観光客だった」と伝えた。同紙によると、一帯は中国人の団体客が中心だった以前とは異なり、日本や米国、東南アジアなど、観光客の出身国は様々だったという。ソウル有数の観光エリア・ミョンドン(明洞)を訪れた日本人女性(19)は同紙の取材に「4年前に初めて韓国を旅行した時、明洞に来た。新型コロナが終わったら最初の旅行でここに来ると決めていた。『ショッピングの聖地』明洞は変わっていない気がする」と話した。
韓国を訪れる外国人観光客の数は急速に回復しているという。韓国観光公社によると、今年1~3月期の訪韓外国人観光客は約171万人で、昨年10~12月期比16.2%増となった。
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