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G7サミットは日本、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの7カ国の首脳と欧州理事会議長、欧州委員会委員長が参加して開催される首脳会議。G7サミットでは、国際社会が直面する様々な課題について、首脳たちが一つのテーブルを囲みながら、非公式かつ自由闊達（かったつ）な意見交換を通じてコンセンサスを形成。その成果を「宣言」としてまとめる。
サミットが初めて開催されたのは1975年11月。1970年代、ニクソン・ショック（ドルの切り下げ）や第1次石油危機などの諸問題に直面した先進国の間では、世界経済問題（マクロ経済、通貨、貿易、エネルギーなど）に対する政策協調について首脳レベルで総合的に議論する必要があるとの認識が生まれていた。こうした背景の下、フランスのデスタン大統領（当時）の提案により、パリ郊外のランブイエ城で日、米、英、仏、独、伊の6か国による第1回首脳会議が開催された。
G7サミットには他の多くの国際的なフォーラムとは異なり事務局はないが、それぞれの国で総合的・横断的にさまざまな分野を総覧する立場にある首脳がトップダウンで物事を決めるため、適切な決断と措置を迅速に行うことが可能になる。
G7サミットを開催する国は、開催する年の1～12月の1年間、G7議長国となる。G7議長国は、サミット開催に向けた事前の準備会合や、実際の首脳会議、外相会合をはじめとした閣僚会合の開催のための諸準備や議事進行を行う。
今年のG7サミットは19～21日に広島で開催される。日本での開催は7回目。核兵器を持つ米国、英国、フランスの首脳が被爆地で顔をそろえる歴史的なサミットとなる。G7がどのようなメッセージを発するのか注目されている。
岸田首相は今年3月、G7サミットに韓国など8か国の首脳と、7の国際機関の長を招待すると発表した。日本政府は、法の支配に基づく「自由で開かれたインド太平洋」の実現のため、G7以外の国を招待することにした。岸田首相は同月の参院本会議で、G7サミットに韓国を招待する理由について「国際社会が直面するさまざまな課題への対応で韓国との協力ができる。韓国がG7との議論に参加することは有意義だ」と述べていた。
韓国の大統領がG7サミットに直接参加するのは今回が4回目。2021年6月に英国で開催されたG7サミットにはゲスト（特別参加）国として出席した。2020年、米国のトランプ大統領（当時）がG7の枠組みについて「時代遅れだ」と批判。韓国やロシア、オーストラリア、インドを加え、G10またはG11に拡大したい意向を示した。新型コロナウイルスの感染拡大により、この年の対面によるG7サミットは中止となったが、韓国は、翌21年の英国で開催のG7サミットに、当時のムン・ジェイン（文在寅）大統領が出席した。
尹大統領のG7広島サミット出席を正式発表した韓国のキム・テヒョ国家安保室第1次長は「国際社会の連帯への貢献策を示し、友好国の首脳と絆を強める機会になる」と期待を示した。
尹大統領はG7メンバー7か国と関係国の首脳による「アウトリーチ会合」に出席する。また、滞在中、岸田首相とバイデン米大統領との3か国による首脳会談に臨む。北朝鮮のミサイル発射情報を即時共有する方針を確認するなど、連携強化を協議するほか、半導体などのサプライチェーン（供給網）の安定化に向けた協力強化を話し合う見通し。また、岸田首相とは広島市の平和記念公園にある韓国人原爆犠牲者慰霊碑を共に訪れる。韓国大統領の訪問は初めて。
また、尹大統領はG7に前後し、韓国を訪れる各国首脳ともソウルで相次いで首脳会談を行う。17日にはカナダのトルドー首相と、G7後の21日にはドイツのショルツ首相、22日には欧州連合（EU）のミシェル常任議長らと会談予定。広島でも、G7加盟国や招待国の首脳らと会談を行う見通し。韓国紙の朝鮮日報は尹大統領のG7前後の日程について「外交スーパーウィーク」と伝えている。
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