「釜山回し蹴り事件」30代男、二審で懲役20年に…「性犯罪」認定＝韓国

韓国・プサン（釜山）で帰宅途中の20代女性に回し蹴りをした後、オフィステル内で無差別暴行して意識を失わせた、いわゆる「釜山回し蹴り事件」の犯人である30代の男が控訴審で懲役20年を言い渡された。性犯罪目的が認められ、一審の懲役12年に比べて刑が重くなった。

　釜山高裁は12日午後、強姦（ごうかん）・殺人未遂容疑で起訴された30代男性A被告に懲役20年を言い渡し、10年間の身元情報公開、児童青少年関連機関への就業制限と共に、20年間の位置追跡装置装着、80時間の性暴力教育履修などを命じた。

　裁判部は「被害者を性暴力犯罪の手段として犯行に及んだ」として、性暴力容疑を有罪と認めた。また「面識もない被害者を性的欲求の対象にして、頭だけを狙って蹴ったり踏んだ」とし「迷いもなく被害者を連れて行き、多量の出血があった被害者を相手に性暴力犯罪に進もうとした」と判決した。

　A被告は昨年5月22日午前5時ごろ、帰宅途中の20代女性を約10分間追いかけて、被害者が入ったオフィステル1階のエレベーター前で、回し蹴りなどで無慈悲に暴行した疑い（殺人未遂）で起訴された。一審は殺人未遂容疑を有罪と判断して懲役12年を言い渡した。

　被害者への性犯罪疑惑が続くと検察は先月31日、裁判所にA被告に対する罪名を強姦・殺人未遂に変更する起訴状変更を申請し、裁判所はこれを許可した。検察はその後、控訴審結審公判でA被告に対して懲役35年、位置追跡装置の装着、20年間の保護観察命令などを下してほしいと裁判所に要請した。