前月のグリーンブックでは「下方リスクが多少緩和」と表現したが、今月は「多少」を外し、景気減速の主因として言及していた「輸出と製造業」からも「輸出」を消した。
6月の輸出額は前年同月比6.0%減少した。9か月連続のマイナスながら減少率は今年に入り最も小さい。輸入額も11.7%減少し、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は11億3000万ドル(約1550億円)の黒字だった。黒字に転じるのは16か月ぶり。
経常収支は5月に19億3000万ドルの黒字に転換した。政府は、貿易黒字に後押しされ6月は黒字幅が拡大すると見込む。
内需に対しては緩やかな回復傾向が続いているとの認識を示した。5月の小売販売は前月比0.4%増加した。6月の消費者心理指数は100.7と13か月ぶりに基準値の100を超え、楽観的な見方が悲観的な見方を上回った。
クレジットカード利用額は前年同月比5.4%増加した。訪韓中国人観光客数が1年前の約14倍に急増した。一方で、百貨店の売上高が0.2%、ディスカウントストアも1.9%、それぞれ減少した。6月の小売販売にマイナスの影響を及ぼしそうだ。
政府は物価上昇の勢いについて「鈍化の流れが明瞭だ」と記述した。6月の消費者物価指数の上昇率は前年同月比2.7%で、1年9か月ぶりに3%を下回った。
今後は世界IT市況の改善と中国の経済活動再開の効果が期待されるものの、制約を受ける懸念もあるとした。
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