誕生した双子はいずれも雌で、エバーランドでのパンダ誕生は3年ぶりという。エバーランドによると、最初に生まれた1匹の出生時の体重は180グラム、2匹目は140グラム。母子ともに健康で、アイバオは2020年7月に出産した雄の「フーバオ(福宝)」の子育て経験を活かし、双子の面倒をよく見ているという。
双子パンダ誕生のニュースに中国政府も公式の論評を発表。中国外交部の報道官は11日午後の会見で「心温まる良い知らせだ」と話した。
また、これに先立ち、駐韓中国大使館も通信アプリ「微信(ウィーチャット)」の公式アカウントを通じ、「生まれた2頭の赤ちゃんパンダが元気に育つことを心より願う。赤ちゃんパンダが早いうちに観覧客に会って、より多くの喜びを与え、中韓友好増進のために新たなエネルギーを吹き込んでくれることを願っている」とコメントした。
中韓関係は近年、冷え込んだ状況が続いているが、先月、ケイ海明駐韓中国大使が先月、ソウルの大使公邸で韓国最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)代表と面会した際の発言が物議を醸し、関係はさらに悪化することとなった。ケイ大使は、北東アジア情勢や韓中関係について意見交換した際、「韓国には中国との関係において外部の妨害から抜け出すことを願う」とし、韓米関係、日米韓3か国協力を重視する韓国のユン・ソギョル(尹錫悦)政権の外交政策をけん制。「一部では米国の勝ち、中国の負けに賭けている。誤った判断であり、後で必ず後悔する」と述べ、米国の圧力といった外部の干渉によって誤った判断をしないよう警告した。外国の大使が駐在国の政府を露骨に批判するのは異例で、韓国内では反発が強まった。
発言を受け、韓国外交部(外務省に相当)のチャン・ホジン第1次官は、ケイ大使を外交部に呼び、強い遺憾の意を表明。「事実と食い違う内容や黙認できない表現でわが国の政策を批判した。これは(外交使節の友好関係促進業務を定めた)ウィーン条約と外交的な慣例に反するのはもちろん、韓国内の政治に介入する内政干渉になりかねない」と指摘した。
また、外交部のパク・チン長官(外相)も「外交慣例というものがあり、大使の役割は友好を促進させることであって、誤解を広めてはならない。(ケイ氏の発言は)度を越した」と強く批判した。
こうした事態を懸念してか、中国共産党の機関紙、人民日報は先月27日、「中国は韓国との関係を重視し、発展させるという基本的立場に変わりはない」とする中国外交部の毛寧報道官の発言を見出しにした記事を掲載した。同紙が報道官の韓国についての発言を記事として掲載するのは約2か月ぶりのことで、その意図が注目された。
こうした状況下での双子のパンダ誕生のニュースは、両国に関係する久しぶりの明るい話題となった。
韓国紙のハンギョレ新聞は「中国外務省がエバーランドのアイバオの出産ニュースに積極的に対応するのは、早くからパンダを外交手段として活用してきたためだ」と解説した。中国は1970年代から国益と連携させてパンダを各国に貸与している。前述のように、今回生まれた双子たちの親であるロバオとアイバオも、2016年3月に共同研究を目的に中国から提供された。
中国外務省の報道官は11日の定例記者会見で「新しく生まれた双子のパンダたちも、お姉さんのプーバオのように両国国民の友好的感情の増進に肯定的な役割を果たしてほしい」と述べた。
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