直近の日米韓首脳会談は、今年5月のG7広島サミットの際、約半年ぶりに開かれた。会談では、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対処するため、ミサイル情報を3か国が即座に共有する仕組みづくりを前進させることで一致。バイデン大統領は、岸田文雄首相とユン・ソギョル(尹錫悦)大統領が2か国関係の改善に取り組んでいることを称賛し、日米韓のパートナーシップとインド太平洋の結束がより強固になったと指摘した。バイデン政権は北朝鮮や中国への対応を念頭に日本や韓国との関係を重視しており、バイデン大統領は会談の席で、日韓の両首脳を米国に招待し、3か国による会談を行うことを提案していた。
米ホワイトハウスは今月28日、バイデン大統領と岸田首相、尹大統領による日米韓首脳会談を8月18日にキャンプデービッドで行うと正式に発表した。議題として、北朝鮮による脅威への対処や、東南アジア諸国連合(ASEAN)及び太平洋島しょ国との関係強化を含む、インド太平洋地域などでの3か国の協力拡大を挙げている。ホワイトハウスは声明で「首脳らは米日韓の友好の強い絆と強固な同盟関係を再確認し、3か国関係の新たな一章を祝う」と説明した。
キャンプデービッドは米大統領の保養地で、ワシントンから北北西に約100キロメートルのキャトクティン山岳公園の中にある。大統領の保養地としてだけでなく、訪米した外国の要人をもてなすためにも使用され、これまで、重要な会談や会議の会場となってきた。
連邦政府職員とその家族のための保養所として、公共事業促進局により1935年から1938年にかけて建設され、当時はハイ・キャトクティンと呼ばれていた。第二次世界大戦中の1942年、ルーズベルト大統領がこの場所を大統領専用の別荘兼避難所に選定し、英国の作家ジェームズ・ヒルトンの小説「失われた地平線」に登場するユートピアにちなんでジャングリラに改名した。1953年、アイゼンハワー大統領が、自身の父と孫の名前にちなんでキャンプデービッドと改称し現在に至る。キャトクティン山岳公園では、安全保障の観点から、公園の地図にキャンプデービッドの位置を示していない。
キャンプデービッドに外国の首脳が訪れるのはバイデン大統領就任後初で、オバマ元大統領時代の2015年以来。トランプ前政権では、2019年9月にトランプ大統領と、アフガニスタンを実効支配するイスラム主義組織タリバンの幹部、それにアフガニスタン大統領による極秘の三者会談が予定されていたが、直前に破談となった。また、2020年のG7はこの場所で開催予定だったが、新型コロナウイルスの世界的大流行を受けて中止となった。
オンライン記者会見で、8月18日の日米韓首脳会談の開催を発表した、米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は「歴史的な3か国首脳会談になる」と話した。
バイデン政権としては、日韓関係の改善の動きをはずみに、3か国の動きをさらに深めていく姿勢を打ち出したい考えだが、米下院外交委員会インド太平洋小委員会の与党・民主党幹事のアミ・ベラ議員は「経済分野で実質的な成果があると期待している」と話した。
ベラ氏は、「米国のエネルギー会社が、日韓共同開発地域で共にできる方法はないか検討している」と述べた。この発言を受けて韓国紙の東亜日報は「中国が開発活動を強化している東シナ海で、韓米日が共同開発に乗り出す案が(会談で)議論される可能性があるということだ」と解説した。
3か国の首脳が国際会議などの場以外で、特別に機会を設けて会談するのは初めてとなり、会談の内容は北朝鮮や中国の反応も含め、注目を集めることになりそうだ。
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