キャンプ場から撤収する英国参加者=5日、扶安(聯合ニュース)
キャンプ場から撤収する英国参加者=5日、扶安(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国南西部・全羅北道セマングムで開催中のボーイスカウト・ガールスカウトの祭典「世界スカウトジャンボリー」(1~12日)は熱中症を訴える参加者が続出している問題などで一部の参加国が撤収を決め、大会中断の可能性も出ていたが、韓国政府の積極的な対応や企業の支援で安定を取り戻している。 大多数の参加国は残留を決め、大会初期から指摘を受けた劣悪な施設は支援物資が次々と到着し、改善に向かっている。韓国政府は参加者に対し、キャンプ場だけでなく全国の名所で観光プログラムを提供する方針だ。◇一部参加国の撤収決定で一時は緊張走る 今回の大会には約150カ国・地域から計約4万人が参加している。最も多い約4400人を派遣した英国は4日、大会組織委員会に撤収する方針を伝えた。また、約1200人を派遣した米国や67人を派遣したシンガポールも撤収を決めた。米参加者はソウル南方の平沢にある米軍基地、キャンプ・ハンフリーに、シンガポール参加者は中部・大田にある韓国水資源公社教育研修院に移動する予定だ。 また、欧州の参加国なども滞在先を調べているとの情報が広まった。不十分な食べ物や非衛生的な施設、猛暑、害虫被害などを訴えて撤収を決定したとされた。 世界スカウト機構は声明を出し、「韓国スカウト連盟に予定より早く大会を終え、参加者が本国に戻るまで支援する案を検討するよう要求した」と明らかにした。 一部の参加国の撤収決定を受け、大会を中断する可能性があるとの見方も出ていた。◇参加国「キャンプ場に残る」 政府は「総力支援」 5日午前、各国代表団による会議が開かれた。会議では大会終了まで予定通りの日程を行うことを決めた。世界スカウト機構のアジア太平洋地域議長は「韓国政府とスカウト機構は飲食、施設、衛生管理の改善のため努力している」として、「われわれはコントロールできない自然環境を受け止め、大会がよく運営されることを信じている」と述べた。 韓国政府はこの決定を受け、総力支援に乗り出す方針を明らかにした。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は韓国の産業や文化などを体験できるプログラムなどを提供するよう指示した。衛生問題を改善するため700人以上のスタッフを投入するほか、冷房の効いたバスの配置、パラソルの設置などを増やす計画だ。◇自治体・企業・宗教界も支援に 厳しい暑さが続いていることを踏まえ、首都圏の京畿道、開催地の全羅南道などは冷水や氷を緊急支援した。ソウル市は移動式トイレ50棟を支援する方針を明らかにした。 サムスンはサムスンソウル病院の医師ら11人を派遣し、エアコン付きの簡易トイレ、発電機などを支援。HD現代は社員による120人規模のボランティアを派遣した。SPCグループはアイスバーとパンを3万5000個ずつ提供し、イーマートはミネラルウォーター70万本を支援する。 宗教界も支援に乗り出した。韓国教会総連合はミネラルウォーター5万本を送ることにし、大韓仏教曹渓宗は「テンプルステイ」を運営する全国の寺などで大会参加者が野営や宿泊できるよう支援する方針を示した。
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