インタビューに応じるフロイド氏=9日、ソウル(聯合ニュース)
インタビューに応じるフロイド氏=9日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】国連傘下の核実験監視機関、包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)準備委員会のフロイド暫定技術事務局長が2021年の就任後で初めて韓国を訪れ、9日にソウルで聯合ニュースのインタビューに応じた。北朝鮮が18年に核実験のモラトリアム(一時停止)を約束したことを挙げ、北朝鮮に「追加の核実験をしないと約束することが他国との信頼醸成の第一歩になる」と促した。 北朝鮮では、かつて爆破した北東部・豊渓里の核実験場の坑道を修復するなど、一時は核実験を準備する動きが継続して捉えられていたが、最近は動きがない。 CTBTO準備委は、1996年に国連が核実験を全面的に禁じる包括的核実験禁止条約(CTBT)を採択したことを受けて発足した。国連に加盟する196カ国のうち北朝鮮、インド、パキスタンなど10カ国を除く186カ国が加わっている。 CTBTO準備委は韓国を含め世界中にある約300カ所の観測所で核実験の兆候を捉え、これを基に核実験実施の有無を確認する活動を行っている。 フロイド氏は、CTBTO準備委の発足以降に行われた12回の核実験のうち、半分が北朝鮮によるものだったとし、「北朝鮮はわれわれの大きな関心事だ」と述べた。「北朝鮮の最初の核実験は規模が非常に小さかったが、われわれのシステムはこれを感知した」などと説明し、核実験を検知する能力に自信を示した。 包括的核実験禁止条約が発効するには特定の発効要件国全ての批准が必要だが、米国や中国など一部の発効要件国が批准していないため、条約は未発効の状態だ。フロイド氏は、それでも条約の採択前には全世界での核実験が2000件に達していたが、採択後に十分な監視システムが機能したことで核実験は急激に減ったと条約の意義を説明した。 韓国については、同条約の「最も強力で揺るぎない支持者」と評価した。「韓国は包括的核実験禁止条約が生まれた初日に署名した国。このことこそ、韓国がいかに強い信念を持っているのかを示している」と語った。 北朝鮮の核の脅威が高まるなか、韓国社会の一部で核武装論が台頭していることに対しては、「地球は核兵器がこれ以上存在しないとき、もっと良い場所になる」と述べた。
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