中国政府は新型コロナの感染が最初に拡大した2020年1月以降、国内の旅行会社に対して、海外への団体旅行の取り扱いを制限してきたが今年2月に一部の国を対象に解禁。これまで先行したのは東南アジアやアフリカなどが目立ったが、今回、韓国や日本、インド、米国、豪州、英国、ドイツなどが解禁対象となった。
11日朝には、「第一陣」として中国・北京の空港から団体旅行客約10人が日本へ向けて出発した。団体ビザの取得には1週間ほどかかるが、この日出発した一行は既に個人ビザを取得していた。団体旅行を手配し、5日間の日程で東京や富士山をめぐるという。
一方、韓国の聯合ニュースによると、中国から韓国への団体旅行が完全に自由化されるのは約6年5か月ぶりとなる。中国は、在韓米軍による「THAAD(高高度防衛ミサイル)」の韓国配備に反発し、2017年3月に韓国への団体旅行商品の販売を禁止した。その後、2018年に上海や北京など中国国内の6地域を出発する訪韓団体旅行が許可され、同年11年にはオンライン旅行会社を通じた団体旅行商品の販売が認められた。2019年後半からは全国的に団体旅行が一部可能になったが、2020年1月の新型コロナの発生を受け、中国政府は韓国を含め、全世界への自国民の団体旅行を禁止した。
団体旅行が解禁される前に、個人旅行で韓国を訪れる中国人観光客は既に大幅に増えており、6月に韓国を訪れた外国人観光客約96万1000人のうち、中国からの観光客は16万8000人で、日本人観光客(約19万7000人)に次ぎ2番目に多かった。聯合ニュースによると、専門家らは今後、日本と中国の順位が入れ替わると予想しているという。
韓国紙の中央日報によると、中国政府が今回、団体旅行を解禁とした国に韓国が含まれたのに合わせ、早くも中国では韓国旅行商品が次々と登場しているという。北京のある旅行会社はチェジュ(済州)とソウルを経由する4泊5日の旅行商品を2980~3580人民元(約6万~7万2000円)で販売している。
同紙は「中国人観光客が再び韓国を訪れることが予想され、関連業界は大歓迎の雰囲気だ。中国の団体観光客を誘致するインバウンド旅行会社の動きが活発だ。仲秋節・国慶節(9月29日~10月6日)前後に中国人観光客の入国が本格化するものと予想される」と伝えた。
韓国と中国を結ぶカーフェリーの旅客運送も今月9日から再開された。中韓を結ぶ空の便もさらに増便されるものとみられる。
聯合ニュースによると、コロナ禍で開店休業状態だった観光業界の動きも活発になっているという。韓国観光公社は中国の旅行プラットフォームなどを対象に韓国観光キャンペーンを実施。航空券の割引プロモーションなどを行う計画。また、韓国への入国ビザの発給を受けた中国人には無料で観光パンフレットを送っているほか、中国のインフルエンサーを招いたツアーによるPRも企画しているという。済州島のオ・ヨンフン知事は18日に北京を訪れ、観光業界の関係者向けに済州島観光の説明会を開く。また、文化体育観光部(部は省に相当)は、訪韓中国人観光客の増加を見込み、9月には上海などで韓国の魅力をPRするイベントを開催予定。韓国観光公社の担当者は聯合ニュースに「韓国旅行に関する問い合わせと資料請求が急激に増加した」として、「下半期も中国人の訪韓需要の増加傾向は続くだろう」との見通しを示した。
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