子供たちに投げかける「パパが好き?ママが好き?」という質問のように、大人たちがすぐには答えられない質問だ。映画『最後の贈り物』(監督:キム・ヨンジュン/制作:テウォンエンターテイメント)は、病にかかった娘と彼女を助けたい2人の父親の話を描く。通俗的でありふれた素材を描いたが、『最後の贈り物』は2人の“父情”の対立ではなく、和合を通じて新しく変奏されている。
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殺人罪で服役中の無期懲役囚テジュ(シン・ヒョンジュン)は、親友ヨンウ(ホ・ジュノ)の娘セヒに肝臓移植をしてあげるため、帰休(長期服役囚に与えられる短い休暇)を許可される。
逃げることだけを考えていたテジュは、セヒが自身と初恋の相手ヘヨン(ハ・ジウォン)との間に産まれた実の娘であることを知る。組織暴力団に身を置き無期囚になったテジュと、兄の不渡りで経済力を失ったヨンウは、娘のセヒを助けたいという一念で忙しく走り始める。
無期囚、病、不渡り、組織暴力団。映画の大きな軸となる単語たちだ。『最後の贈り物』は、このような希望のない単語の中に咲く、小さな奇跡と希望を描く。その根源は、家族間の愛情だ。一滴たりとも血が混ざっていなくても、顔を一度も見ないで生きてきたとしても、2人の父親の限りない愛情は“家族”という枠の中で、観客たちの共感を得て涙腺を刺激する。
新派に近いドラマを支える最も大きな力は、俳優たちの好演だ。映画『家門の復活』や『裸足のギボン』を通じて、コミカル俳優のイメージが強まったシン・ヒョンジュンは、今回の映画を通じて“正劇俳優”であることを証明している。
とくに、病院の椅子に座って胸を叩きながら嗚咽するシーンは、大衆の目に刻み込まれていたコミカルなイメージを、一気に崩してしまう。俳優ホ・ジュノの“ひそかに強い”演技は、頼もしい援軍だ。「娘を助けたい」という一念を持った父親の姿を、しっかりと表現している。
俳優たちの熱演がよくても、素材の陳腐さを全てフォローしきれないのが残念だ。『最後の贈り物』のストーリーは、知ってる道を歩くように単純で、最後に行き着くと用意されていた涙が流れるみたいだ。
だが、一方では胸にジーンと染みて心が温まる。2月5日公開。
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