韓国でビキニ姿でオートバイに乗る女性が現れ、物議をかもしている。韓国のネット上では「注目を浴びたいのか?」「処罰すべき」と批判の声が上がっている。一方、当の女性はSNSで「私のせいで気分を害したのなら申し訳ない」としながらも、「どう着ても自由、見ることも自由」などと「自由」を主張している。

今月11日の昼過ぎ、大企業のオフィスが立ち並ぶソウル市カンナム(江南)区のテヘラン路に、オートバイの後部座席シートに乗ったビキニ姿の女性4人が現れた。女性たちはヘルメットは被っていたが、身に着けていたのはビキニのみで、江南一帯を20分ほど走行した後、通報を受けて駆け付けた警察に任意同行を求められた。

このうちの1人で、ユーチューバーのハヌル氏は、翌12日にはソウル市マポ(麻浦)区の地下鉄の駅近くで、ビキニ姿で今度はキックボードに乗って現れた。ハヌル氏がこの様子を自身のSNSでアップするや批判が殺到し、「炎上」状態となった。公共の場で露出度の高い格好をしたことへの批判のほか、子供たちへの影響を心配する声も上がった。

韓国メディアによるとハヌル氏らは、ビキニ姿で街を走行したのは、アダルト映像の制作会社を宣伝することが目的だったという。

ハヌル氏は14日、自身のインスタグラムに投稿し、「日常逸脱?目立ちたがり屋?マーケティング?炎上商法?どこかちょっと足りない子?露出症?考え方次第だ。どんなものを着るかは自由。こんなの着ているからとみるのも自由」とした。また、「触るのだけはやめて。市民の方々が私のせいで不快に感じたのなら申し訳ない。一日中乗ったのではなくて1、2分の解放感を味わっただけ」とコメントした。

批判が上がる中、ハヌル氏らのグループは19日には南部の釜山で目撃された。同日午後4時ごろ、「ビキニ姿の女性を乗せたオートバイが走行している」との通報が警察に寄せられ、パトカー8台が出動する騒ぎとなった。韓国紙の朝鮮日報は「警察は白昼堂々と釜山市内をビキニ姿で乗り回したこのグループについて、法的に問題がないか検討している」と伝えた。

過度な露出で街中を繰り返し走行した彼女たちは処罰を受けることになるのか。韓国では、公共の場所で露出行為を規制する法律に、軽犯罪処罰法の過剰露出罪と刑法上の公然わいせつ罪がある。過剰露出罪は10万ウォン(約1万900円)以下の罰金が科せられ、公然わいせつ罪は最大で1年以下の懲役となる。

昨年8月には、ソウル江南一帯でユーチューバーがビキニ姿のモデルを乗せてバイクで走行し、共に過剰露出の疑いで書類送検された。

韓国紙の中央日報によると、今年1~7月に過剰露出で罰金処分などを受けたケースは192件に上るという。しかし、社会通念が変化する中、過剰露出罪や公然わいせつ罪に問うことは、たやすいことではないという。同紙は過剰露出の基準があいまいだと指摘。「実際、『ビキニライディング』事件の3日後の15日午前1時、ソウル・ヨンサン(龍山)区イテウォン(梨泰院)駅の前では露出が激しい格好で街を闊歩(かっぽ)する人たちをよく見かける。あるスタンドバーの前では、シャツを着ず、上半身のタトゥーが見える外国人が三々五々集まって踊っていたが、取り締まりは行われていなかった」と伝えた。法では、他人が「恥ずかしい思いや不快感」を感じることを基準にしているが、元判事のある弁護士は同紙の取材に「それぞれ不快を感じる基準が異なるため、捜査官によって判断が異なったりもする」と指摘した。「公共の場」という空間的基準もあいまいとの指摘も出ているという。別の弁護士は同紙の取材に「ビキニは海辺で身に着けても普通だが、都市で身に着けていたら処罰するというのは捜査機関の極めて恣意的な判断だ」と話した。

この一連の騒動はネットメディアなどを通じて日本でも報道されている。日本のネット上でも、「ごく一部のインフルエンサーがやっていること」「目立つことでニュースになりたいのだろう」などと韓国のネット上と似通ったコメントが寄せられたが、「転倒した際には身をもって重篤な代償を支払うことになる。取り返しのつかないことになりかねない」「バイクとなると転倒時がシャレにならない。バイクに乗るときだけは肌露出を控えましょう」などと、けがのリスクを心配する声も上がっている。

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