ソウルの国会前で教師の死の真相解明を求める集会が開かれている=4日、ソウル(聯合ニュース)
ソウルの国会前で教師の死の真相解明を求める集会が開かれている=4日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の教育部は5日、7月末にソウル市内の小学校で自ら命を絶った教師の四十九日を迎えた4日に休暇を取って追悼集会に参加した教師らを懲戒処分するとしていた方針を撤回すると明らかにした。同部は「追悼」は休暇の理由にならないとして、休暇を取るなどの集団行動に参加する教師は厳重に処罰する方針を示していた。

 亡くなった教師は保護者からの苦情に悩んでいたとされる。この死をきっかけに教師が保護者からの過剰な要求や苦情に悩まされている実態が明らかになり、教師の権限を強化するよう求める声が強まった。教師らは4日を「公教育を止める日」と定め、多くの教師が休暇を取って集会に参加するなどして追悼の意を示した。主催者側の発表によると、ソウルの国会前で開かれた集会には約5万人が参加するなど、全国で計約12万人が集会に参加した。

 李周浩(イ・ジュホ)社会副首相兼教育部長官は5日、教員団体や教師労組との会合で、「故人に対する純粋な追悼の気持ちや教権(教師としての権威・権力)回復への大多数の先生の気持ちがよく分かった」として、「教育当局が先生たちを懲戒することはない」を言明。「教権回復への社会的なコンセンサスが形成されている今、分裂や対立よりは公教育を正常化することに全力を注ぐため」と懲戒方針を撤回した理由を説明した。そのうえで、「きょうから『皆の学校』という教育界全体が参加する学校を変える運動を始める」と表明した。

 韓国教員団体総連合会の鄭聖国(チョン・ソングク)会長は李氏に対し、「現場では崩れた教権が回復するか疑問を持っている」として、「教師が過重な業務を強いられないよう、授業・相談・指導・評価以外の業務を大幅に縮小すべきだ」と強調した。


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