日本による福島第一原子力発電所からの処理水の海洋放出に対応するための国策研究機関合同研究報告書が非公開として処理されたことについて、韓国政府は「非公開の決定に全く関与していない」と8日明らかにした。

国務調整室のパク・グヨン国務次長はこの日、ソウル市クァンファムン(光化門)の政府ソウル庁舎で開かれた日次記者会見で「経済人文社会研究会が自律的判断によって最終的に非公開の決定を下した」と述べた。

先立って経済人文社会研究会傘下の韓国海洋水産開発院(KMI)が主管し、韓国環境研究院、韓国法制研究院、韓国原子力研究院が協力して作成した研究報告書は2022年9月に作成されたが、非公開として処理された。KMIは2022年11月、研究報告書を経済人文社会研究会に提出し、処理水の海洋放出の時期が未定な状況で関連内容を盛り込んだ報告書の公開が政策的混乱を招きかねないという理由で非公開とすることを要請し、経済人文社会研究会が最終的に非公開とする決定を下したと政府では説明している。

この日の記者会見では、報告書の内容が一部公開された。報告書は、国民の経済への影響に対応する体系の構築、科学的対応能力の強化、国際協力および政策基盤の強化という3大戦略を提示しているとパク次長は明らかにした。

パク次長は「この報告書は、研究目的が処理水の海洋放出の社会的・経済的・環境的影響を最小化し、国民の健康と安全確保のための対応戦略を策定するためだと明らかにしている」と説明した。

また、国民経済の影響に対応するにあたり、水産物に対する消費者からの信頼の構築、放射能調査の拡大、短期的な水産物価格の下落への対応などの内容が含まれており、科学的対応力強化には調査インフラの構築、国際共同研究、体系的科学調査などを提言していると説明している。

パク次長は「研究報告書では処理水の海洋放出に関する全般的な内容を扱っているが、具体的な外交・政策事項などの非公開事案までは盛り込めていない」とし、「日本の処理水の海洋放出の時点や国際原子力機関(IAEA)と韓国政府の科学的・技術的検討結果が出る前の研究であるため、韓国政府は研究報告書の提言を大まかな方向性として政策決定の参考にした」と述べた。

パク次長は「一部マスコミで報告書の提案の一部が政策に反映されていないことを問題視していると理解している」と述べ、「この研究報告書は政策決定にあたって参考にする数多くの研究または意見のひとつと考えてほしい」と要請した。
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