東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に出席するためインドネシア・ジャカルタを訪問中のユン大統領は同日午後、李首相と向かい合って座った。昨年11月、中国の習近平国家主席と首脳会談を行った後、約10ヵ月ぶりのことであり、両国関係改善に対する期待感が高まった。特に前日開かれたアセアン+3(日中韓)首脳会議で記念撮影をした後、ユン大統領が李首相に近づき握手を求めたりもした。
同日の会談では、日中韓首脳会議の年内推進について両国が合意し、中国も両国関係改善への意志を示したと評価されている。
ユン大統領は「中韓は共に多国間主義と自由貿易秩序を支持しており、その前提となる国際秩序の構築のために協力しよう」と述べた。
これに対して李首相は、「善隣友好(隣国と仲良く)原則を堅持し、両国が新しい関係を模索し、その中で中韓が共同利益を模索し、相互に配慮しながらお互いの円熟した信頼関係を深めよう」と提案したと、キム・テヒョ国家安保室第1次長がブリーフィングで伝えた。
ユン大統領はまた、日中韓首脳会議の早期開催に向け、中国側に協力を要請した。
ユン大統領は「議長国として韓国が推進する日中韓首脳会議ができるだけ早く韓国で開催されるよう協力してほしい」と述べ、中国側はこれに対して「積極的に支持する」と答えた。
ただ、依然として両国の間には北朝鮮の核・ミサイル脅威、南シナ海問題などがある。
しかしユン大統領は、中国が国際法を遵守し、北朝鮮の核阻止に参加すれば、中韓関係改善はさらにスピード感を持って進められるという点に言及した。特に北朝鮮の核問題と関連して「中国役割論」を強調した。
ユン大統領は「北朝鮮の核は我々にとって実存の問題だ。北朝鮮の核問題が解決されなければ、日米韓協力体系はさらに強固になるしかない」とし「中国が安保理常任理事国としての責任と役割を果たしてほしい。北朝鮮が中韓関係の発展に障害にならないよう協力しよう」と述べた。
日米韓連帯をテコに中韓関係の改善を試みたものと分析される。
ユン大統領はまた、今回のアセアン首脳会議期間中、南シナ海関連でも国際法を遵守しなければならないという立場を表明してきた。
ユン大統領はアセアン首脳会議で「力による一方的な現象変更の試みはいかなる場合も容認できないというのが国際法原則」とし「域内の核心海上交通路である南シナ海で、基盤となる海洋秩序が確立されなければならない」として中国を圧迫した。
何よりも中韓関係がより早く改善されるためには、両首脳が別途の首脳会談を開くことも重要な契機になるものとみられる。
ユン大統領は日中韓首脳会議を韓国で開催するとし、李首相を通じて習主席を招待した。もし習主席が韓国を訪れるなら、9年ぶりの訪韓だ。習主席はムン・ジェイン元大統領が就任初年度の2017年に中国を訪問した後、コロナ渦となり答礼訪問はしていない。
習主席の訪韓が実現すれば、ユン政権としては中韓関係改善の契機となる。
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