仁川空港の年度別の秋夕連休の1日平均出国者数を表すグラフ
仁川空港の年度別の秋夕連休の1日平均出国者数を表すグラフ
今年のチュソク(秋夕、日本の旧盆にあたる)連休期間(9月28日から10月3日)に韓国から海外に行く人の数が昨夏の繁忙期の出国者数を上回る見通しだ。ハナツアーなど主要な旅行会社の秋夕連休期間中の海外航空券とツアー旅行商品の予約は、7月末から8月初めの夏のピークシーズンの実績を上回った。

ハナツアーは秋夕の連休に合わせて発売したクロアチアのザグレブ行きのチャーター便の予約率が95%に達するなど、ヨーロッパ路線の航空便予約が夏の繁忙期に比べて40%近く増加した。その他、チャムチョウンヨヘン(本当に良い旅行)は今回の秋夕連休中、新型コロナウイルス感染拡大期前の2018年と2019年の秋夕の時より2から2.5倍多い1万5000人を越える予約が集中した。キョウォンツアーやインターパークなども同期間に海外航空券とツアー旅行商品の予約が着実に増えており、夏の繁忙期を越える実績達成は間違いないと予想している。

ハナツアーの関係者は「旅客機の座席数の供給も夏の繁忙期に比べて増えたが、何よりも座席利用率が以前より目立って高くなっている」と説明した。これまで航空運賃や宿泊費の上昇により停滞していた需要が、最長12日まで延長可能な秋夕連休の時期を迎え、海外旅行商品の購買につながっていると分析されている。

これまでの秋夕連休の中で、1年中で一番の繁忙期にあたる7月末と8月初めの夏の繁忙期よりも多くの人が海外に出国するのは2017年以降6年ぶりだ。計10日間の長い連休が続いた2017年の秋夕連休期間にインチョン(仁川)空港から出国した人の数は1日平均18万7623人で、その年の夏の繁忙期の出国者数18万3043人を上回った。航空会社や旅行会社など関連業界では、今年の秋夕連休期間に2019年の出国者数(1日平均18万1223人)に迫る18万人以上が海外旅行に出かけると予想している。

秋夕連休の旅行需要が海外に集中し、国内観光の活性化と内需拡大を期待していた韓国政府の構想は期待外れに終わりそうだ。臨時公休日の指定が海外旅行の需要だけを増やすという「逆効果」の懸念が現実化したためだ。関連業界と専門家の間では、韓国政府が逆効果になることを十分に認識しながらも、特別な対策を用意できないまま臨時公休日を指定したとの指摘も出ている。

夏の繁忙期に続いて秋夕連休の海外旅行客数が急増している影響で、今年下半期の観光収支の赤字幅はさらに広がるものと予想されている。今年上半期の観光収支の赤字額は46億5000万ドル(約6820億円)で、2018年の上半期以降5年ぶりに最大となっている。
Copyrights(C) Edaily wowkorea.jp 107