韓国裁判所、故パク・ウォンスン前ソウル市長のドキュメンタリー映画の上映禁止を命令

韓国の裁判所は20日、故パク・ウォンスン（朴元淳）前ソウル市長の死を扱ったドキュメンタリー映画『初弁論』の上映を禁止する仮処分を出した。被害者の名誉毀損（きそん）と二次加害を理由に、ソウル市と被害者の法律代理人であるキム・ジェリョン（金在蓮）弁護士代がドキュメンタリー製作委員会の「パク・ウォンスンを信じる人々」とキム・デヒョン監督を相手に先月1日、裁判所に上映禁止仮処分を申請していた。

　ソウル南部地方裁判所は、「映画の主な内容は真実性に欠け、被害者の名誉を深刻に傷つけるものである」と判断した。また、「故人（朴前市長）の被害者への加害行為は、国家人権委員会や行政裁判所で確認された事実であり、映画による表現行為の価値が被害者の名誉より優越して保護すべきとは言えない」と述べた。この決定により、映画の上映や販売・配布が全面的に禁じられた。

『初弁論』は、オーマイニュースのソン・ビョングァン記者が書いた『悲劇の誕生』を原作としている。この本は、セクハラ被害者の証言に一部反論する内容で、二次加害だと批判されていた。同様の議論が映画制作にも巻き起こった。

　ソウル市と金弁護士は、「複数の国家機関が長期間にわたって調査した結果を再び否定することは、表現の自由という名目で許されることではない」と主張した。

　一方、映画を監督したキム・デヒョン氏は、「広範囲で、表現の自由を認めるべきだ」と主張した。