尹大統領の批判にロシア大使館「深い遺憾」…韓露関係「急冷」
尹大統領の批判にロシア大使館「深い遺憾」…韓露関係「急冷」
韓国のユン・ソクヨル大統領が国連総会での演説を通じて、北朝鮮との協力に乗り出したロシアを強く批判すると、ロシア大使館は深い遺憾を表明した。韓国がロシアと戦争中のウクライナに対する全面的な支持に乗り出し、国交正常化33年の韓露関係は急速に冷え込んでいる様子だ。

 ロシア大使館は21日、フェイスブックでユン大統領の演説に対して「米国政府が発議し、米国と韓国メディアが追随した露北協力卑下宣伝戦に加勢したことに深い遺憾を示す」と主張した。

 続いて大使館は「ロシアとの強固な交流と協力経験を持つ韓国指導部が、韓国政府の追加的反露路線追求により韓露二国間関係と朝鮮半島情勢に及ぼす否定的影響に対する冷静かつ客観的な評価をすることを促す」と明らかにした。

 これに先立ちユン大統領は、「世界平和の最終的守護者でなければならない国連安保理常任理事国が、他の主権国家に武力侵攻して戦争を起こし、戦争遂行に必要な武器と軍需品を安保理決議に真っ向から違反する政権から支援される現実は自己矛盾的だ」とし、ロシアの行動を指摘した。ユン大統領は、北朝鮮との軍事取引の可能性に対しても強力に対応すると警告した。

 韓国は、北朝鮮とロシアの協力について、外交部レベルでもロシア大使館に抗議した。先立って19日、チャン・ホジン外交部1次官がアンドレイ・クーリック駐韓ロシア大使を招待したのだ。チャン次官は最近、北朝鮮のキム・ジョンウン総書記の訪露契機とした露北間兵器取引と軍事協力問題の論議に対する韓国政府の厳重な立場を伝え、ロシアが北朝鮮との軍事協力の動きを直ちに中断し、安保理決議を順守することを強く求めた。

 しかし、これにもロシアは反論の立場を示した。ロシア大使館は「朝鮮半島と大韓民国の安保に対する実質的な脅威は、武力で北朝鮮を抑圧するという目標で朝鮮半島で米韓両国が繰り広げている猛烈で不平等な軍事活動から始まるという点を韓国側は考慮すべき」と北朝鮮とロシアの協力を否定した。

 このような外交攻防にもかかわらず、外交部は韓露外交関係を揺るぎなく続けるという立場だ。外交部当局者は「ロシア政府と必要な疎通を続けている」と明らかにした。

 こうした中、ロシア外務省のアンドレイ・ルーデンコアジア・太平洋担当次官が来週、韓国を訪問する。チャン・ホジン外交部第1次官が6月、ロシア・モスクワを訪問したことによる答礼訪問だ。

 ただし、北朝鮮とロシアが緊密な協力を約束した直後であるだけに、韓露外交次官の会談は激しい外交戦になる見通しだ。さらに、朝露首脳会談に対するロシア側の公式説明の場になるものとみられる。
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