手術室に監視カメラ、25日から義務づけ…医師ら反発=韓国
手術室に監視カメラ、25日から義務づけ…医師ら反発=韓国
韓国で、手術室に監視カメラを設置することを義務付けた医療法改正が25日から施行された。しかし、医師らは人権侵害やプライバシーの侵害などを理由に反対しており、一部は手術室の閉鎖を検討しているという。

 韓国の大韓医師協会は25日、会員1267人を対象にしたアンケート調査の結果を公表した。その中で、監視カメラの設置が義務化された場合、手術室を閉鎖する意思があると回答した医師は44.3%に上った。該当アンケート調査は今年9月8日から同月18日までの10日間行われた。

 監視カメラの設置が義務化された場合、手術医師は843人(49.5%)、非手術医師は424人(68.2%)が手術室閉鎖の意思があると答えた。多くの医師が同法の施行を深刻な問題として考えているものとみられる。

 同法の反対理由(複数回答)として、医療スタッフの労働監視など人権侵害(51.9%)、医療関係者に対する潜在的犯罪者認識の発生(49.2%)、診療萎縮や消極的な診療の原因(44.5%)、不必要な訴訟や医療紛争の可能性(42.4%)、患者の敏感な個人情報流出事故(37.6%)、外科医の忌避現象発生(33.9%)、手術時の集中度低下(29.8%)、各種費用増加による医療費上昇(1.2%)などがあげられた。

 医師が選んだ手術室監視カメラの代案としては、代理手術の罰則強化推進(64%)、手術室入口監視カメラの設置(39.8%)、代理手術防止同意書の義務化(39.2%)、自律浄化の活性化(20.5%)、倫理教育の強化(19.6%)、手術室出入り時の生体認証(18%)、その他(1.6%)などをあげた。

 医師協会は「手術室の閉鎖は医療崩壊につながる恐れがある」と警告した。
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