「AIに取って代わられたくなかった」…ハリウッドスト148日が残したもの
「AIに取って代わられたくなかった」…ハリウッドスト148日が残したもの
「私は人工知能(AI)に取って代わられたくありません」
(I don't want to be replaced with something artificial.)

 5月初め、ハリウッド作家組合(WGA)の下で「ハリウッドシャットダウン」(ストライキ)に参加することになったシナリオ作家ミシェル・アモールはBBCにこのように話した。ミシェルは35年間包装業の仕事をしてきた彼女の母親が、最近ロボット包装機器の登場で働き口を失った話を打ち明け「労働集約的な職業でこのようなことが起きると予想はしていたが、私たちは芸術を創造する…誰が『偽ピカソ』を望んでいるだろうか」と反問した。

 アモールのような作家たち1万1500人が集まってなされた労働組合WGAは5月2日、△ストリーミング事業にともなう製作会社収益の透明な公開△公正な収益分配△作業最小人材配置△AI導入と関連した作家の権利保障などを前面に出してストライキに突入した。

 給与水準・勤務条件改善を理由に起きた既存ストライキと異なる点は「AIからの権利保障」という項目だ。同月1日に発表されたWGAの要求事項には「AIは文学的資料を書いたり再び使うことはできず、『原本』(source material)として使うことはできない」という主張が盛り込まれた。チャットGPTなどAIが作家の既存創作物を再組合して台本を作成すれば、作家の知的財産権および生計に脅威を招きかねない。

 7月、WGAの下でストライキを始めた俳優・放送人組合(SAG-AFTRA)も、AIに複製・再加工された作品で肖像権を主張できなかったり生計を維持できない状況を憂慮している。16万人の組合員を代表するダンカンクラブツリーアイランドSAG-AFTRAの交渉家は記者会見を通じて「スタジオの人工知能が俳優たちを搾取している」と主張した。

 これに対し先月11日、ネットフリックス、ウォルトディズニーなどメジャースタジオを代表する映画・TV製作者連盟(AMPTP)は「AIの影響力増加にともなう保護提案」を通じて△会社が作家にAIが作った脚本を再執筆させる時「草案作成」の賃金を支払うなど破格的な提案を出したが、彼らの憂慮を払拭することはできなかった。

 「27日午前12時1分(現地時間)、労組指導者たちは禁止命令を解除し、ストを終了することで全会一致で投票した」 WGAは組合ホームページを通じてストライキ開始148日ぶりにストライキ終了宣言をした。20日から進行されたAMPTPとの5日間の交渉の末に成し遂げた「暫定的合意」だ。

 作品製作の際、スタジオがAIツールを部分的に使用しても、作家たちの知的財産権と補償を保障しており、双方が合意に至ったものと見られる。WGAホームページによると、合意案には△AIの文学資料作成・再作成不可△AI資料を「原本」と見なすことはできない△AIによるシナリオの信用毀損(きそん)防止などが暫定合意案に含まれた。

 しかし依然としてシナリオ作家ミシェル・アモールが憂慮した「潜在的働き口への威嚇」に対する代案は明確ではない。デジタルメディア会社IACの会長であるベリーディーラーは26日、CNBCで合意案に言及し「AIから作家を保護するスローガンを作るために数ヶ月を過ごしたが、結局何も保護できていない」とし「著作権法の根幹を揺るがす方針」と指摘した。
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