先月の韓国の消費者物価が3.4%上昇し、2ヵ月連続で3%台半ばの上昇幅を記録する見込みだ。国際原油価格の上昇傾向や、チュソク(秋夕/旧暦の8月15日)連休などが物価上昇に加勢したものとみられている。専門家らは8月から9月を頂点に物価は次第に安定化するものと予想しているが、現在の上昇傾向が急速に鈍化することはないとみている。

韓国政府の「9月消費者物価動向」の発表に先立ち、証券会社7社を対象にアンケート調査を行った結果、9月の物価上昇率は前年の同じ月に比べ3.4%(中間値)を記録すると集計された。物価上昇率は2022年7月(6.3%)にピークに達した後に下落傾向に転じ、今年7月に2.3%まで下がっていたが、8月に再び3.4%を記録し、7ヵ月ぶりに上昇傾向に転換した。

国際原油価格の上昇による原材料価格の上昇や、ウォン安による輸入物価の上昇、秋夕連休などが3%台の物価上昇率の背景になったとみられている。韓国石油公社の原油価格情報システム「オフィネット」によると、韓国が主に輸入しているドバイ産原油は9月平均1バレル=92.8ドル(約1万3830円)を記録し、8月(86.46ドル/約1万2890円)に比べて上昇し、前年の同じ月(90.9ドル/約1万3550円)に比べても高かった。ドル/ウォン為替レートは先月26日の取引中に1349.5ウォン(約148円)を記録した。

シンヨン証券のチョ・ヨング研究委員は「8月の物価急騰に続き、9月も3%台半ばの高い物価上昇率を予想している」と語り、「国際原油価格上昇とウォン安にともなう輸入物価の上昇や、9月末の秋夕連休により農畜水産物および食料品価格が高止まりしている」と分析している。

韓国銀行も9月の物価上昇率が8月と同水準になると予想している。韓国銀行調査局のパク・チャンヒョン物価動向係長は先月「9月の物価上昇率は8月と同水準か、多少高くなる可能性がある」と述べ、「石油類の価格が上昇する流れが続いており、農産物の価格も気象条件と秋夕の需要などにより上方圧力が高まる恐れがある」と説明している。

ただし、専門家たちは物価上昇の流れは鈍化していると評価している。メリッツ証券のイ・スンフン研究委員は「農産物および石油類を除いた根源物価は、先月は3.7%の上昇にとどまるものとみられる」と述べ、8月(3.9%)に比べ上昇幅が縮小すると予測している。NH証券のチョン・ヨギョン研究員も「物価上昇率が8月から3%台を上回っているが、上昇の流れに変わったというよりも一時的な変動に過ぎない」と述べている。

10月からは物価上昇率が下向いて安定方向に転じるとの観測が出ている。ただし、物価上昇率が2%台に入る時期を今年の第4四半期から来年に遅らせるなど、鈍化幅は大きくないものとみられている。キーポイントは国際原油価格の上昇傾向がいつまで続くかだ。

ユジン投資証券のイ・ジョンフン研究員は「現在の原油価格水準が続くならば、第4四半期の物価上昇率は3%台前半を記録すると予想している」と述べ、「来年の上半期に2%台後半に下落するとみている」と述べた。反対に、シンハン(新韓)投資証券のハ・ゴンヒョン研究員は「予想より景気が良く、増えていた先進国での需要が再び減る可能性が高いうえに、最近の米国とイランの関係修復によりイラン産原油の輸入が再開されれば、原油価格が安定化する可能性もある」と分析している。
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